tooth wearは,齲蝕,歯周病に次ぐ第三の口腔硬組織疾患として,細菌が関与することなく歯の損耗を生じる病態の総称である。近年,国民の口腔衛生状態改善による残存歯牙の増加に伴い,その罹患者も増加する傾向にある。多くの因子が相互に作用することによって生じるtooth wearは,原因の特定および予後の判断が困難とされてきた。咬耗症や酸蝕症などの,本研究によって検査方法を確立し,質の高いデータが収集可能となる。将来的に,検査結果から多因子性疾患であるtooth wearの病態解明および,妥当性の高い治療法の提案が可能となる。
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