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2017 年度 実施状況報告書

単一構造型FRCを用いた新しい支台築造方法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K17155
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

永田 浩司  東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (00793043)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード単一構造FRC / 支台築造 / 有限要素解析
研究実績の概要

歯根破折は抜歯診断に至る主な原因の一つであり, 根管治療後の支台築造が最も影響する治療過程である.従来型ガラス繊維補強型コンポジットレジン(FRC)は歯牙に負担の少ない歯台築造方法として広く臨床で応用されている一方で,従来型FRCはガラス繊維とコンポジットレジンの複合体であることにより機械的強度が不足しておりその適応症が極端に限られている.本研究の目的は,新たに開発された単一構造FRCを用いて,歯牙に優しく且つ機械的強度に優れた支台築造方法を開発することである.
平成29年度の研究目的は,3次元有限要素法を用いて支台築造を行った支台歯の応力解析を行い,歯髄処置の施された歯牙に最もストレスが少なくなると考えられる,単一構造FRCを用いた築造体形態を検討することである.まず有限要素解析に先立ち,築造体に用いる材料の機械的性質の評価を行った.材料は従来型FRC(ガラス繊維+コンポジットレジン),及び単一構造型FRC(ショートファイバーペースト)を用い,引張試験を行った.各材料の引っ張り強さ,弾性率,靭性値を評価し,異方性に関しても検討した.さらに,既存の牛根およびヒト上顎中切歯の3Dモデルを用いて予備解析を行った.材料定数は曲げ試験のデータを用いた.築造体の長さ,太さに関して主に築造形態に関して検討し,牛根とヒト歯根のモデル間の比較を行った.さらに,築造体の削り出し方法を検討するにあたり,既存のCAD/CAMシステム上でのデータ取り込み,モデリングに関して検討を開始した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

各材料の機械的性質を確認し,三次元有限要素解析による予備解析を行った.機械的性質の一つとして重要な築造体と象牙質との接着引張り強さ試験を現在行っているが,試料製作に関して,苦慮していおり,当初の予定より少し遅れているが,来年度以降に予定していたコア材料をCAD/CAMシステム上で削り出す方法に関して検討を開始している. 牛歯やヒト抜去歯を使用した試験を行う前に,規格性のある材料での予備試験を現在検討している.

今後の研究の推進方策

今後は29年度に引き続き,築造体と象牙質との接着引張り強さ試験の実施,築造体の製作,さらには有限要素のモデリングを確実な方法で行えるよう,手法を確立し,実験を進めていく予定である.モデリング方法に関しては,マイクロCTで撮影したDICOMデータを,ソフトウェアMimicsを用いて三次元有限要素解析ソフトANSYS上に読み込み失活歯をモデリングする事を検討している.また,規格性のある材料での予備試験後に,牛歯あるいはヒト抜去歯での実験に移行していく予定である.

次年度使用額が生じた理由

平成29年度は,有限要素解析を中心に研究を行ってきたが,当初予算に挙げていた材料費に関しては,主に既存の試料を用いた材料試験が中心であったため,材料試験製作用の備品を購入したものの,新たな接着試験まで至らなかったため,予算を控える形となった.次年度に本年度行うべきであった実験が実施される予定であるため,引き続き材料,消耗品等の購入に用いる予定である.また,来年度以降のデータ収集および学会での成果発表(日本補綴歯科学会,歯科理工学会,IADR)を予定している.

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公開日: 2018-12-17  

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