本研究はMRIデータを用い,下顎頭のsubchondral cyst (SC)について縦断的な調査を行った.その結果,SCは下顎頭の力学的負荷の加わりやすい部位の近傍に形成される可能性が示唆され,SCは関節円板の位置異常との関連が強いことが明らかとなった.また,SCの3分の2は下顎頭および関節隆起の骨吸収を伴いながら時間経過とともに消失することが分かった. また,本研究では円板側方転位を有する23関節のMRIを4年から9年間間隔を空け縦断的に撮像し,円板側方転位の経時的変化を観察した.縦断調査の結果,側方転位の程度が変化した症例は存在したが,側方転位から前方転位に移行した症例は存在しなかった.
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