• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実施状況報告書

パーキンソン病患者の嚥下動態評価システムの構築-異常嚥下運動と臨床指標の関連-

研究課題

研究課題/領域番号 17K17167
研究機関大阪大学

研究代表者

皆木 祥伴  大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (30755351)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード摂食嚥下障害 / 歯学 / リハビリテーション
研究実績の概要

PDで外来通院中の患者の嚥下時舌圧・喉頭運動計測および,嚥下障害の臨床的評価データ収集に関しては予定通り進行している.舌圧に関しては,すでに申請者が明らかにしている健常者の舌圧発現パターン(各部位の発現順序・大小関係,均等性)の崩れを分析し,また喉頭運動についても同様に健常者における波形や舌圧との同期性との比較を行うことで,疾患特有の「異常パターン」を検出するにおいて有用なデータが集まった.
嚥下姿勢の動画解析においては、頭部後屈による嚥下や極端なあご引き姿勢における嚥下などが観察されており,姿勢と舌圧・喉頭運動および嚥下障害との関連が導き出せている.頭部後屈姿勢にて嚥下するPD患者は口腔期の障害が重度であり、舌圧の発現も乏しい.そのため頭部後屈により口腔期嚥下の障害を補う意図がみられる.
また,極端なあご引き姿勢において嚥下するPD患者においては舌圧発現は十分にみられるものの嚥下障害は頭部後屈を行うPD患者と同じく重度であると臨床的に評価される.これはむせや誤嚥などの嚥下障害のエピソードが過去にあり,嚥下失敗を避けるために行っている代償的嚥下法であると考えられる.徐々に機能低下が生じるPD患者においては指導法としてあご引き嚥下を指導するほうが,口腔期嚥下障害を重力によって代償する頭部後屈より習慣的に誤嚥を予防できる可能性があると現時点で考えられる.しかしながら,顎引きに嚥下を日常的に行うにあたって注意する点はPD特有の易疲労性であるため,舌接触補助床を適用するなどして筋疲労の軽減も同時に図るべきであると考えられた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

共同研究機関である大阪大学医学研究科神経内科学分野および新潟大学医歯学総合研究科包括歯科補綴分野より追加実験の依頼があり現在追加実験を実施している.

今後の研究の推進方策

異常パターンの敏感度・特異度の検出分析により得られた各疾患特有の異常パターンについて,症例を増やして出現率を確認するとともに,嚥下障害の有無との関係を分析し,敏感度ならびに特異度を算出する.最終的に,舌圧・喉頭運動・嚥下姿勢の項目によって,各疾患特有の嚥下障害の病態像を表現し,臨床評価との関係から嚥下障害診断の基準となるカットオフ値を算出することを目標とする.

次年度使用額が生じた理由

共同研究機関である大阪大学医学部神経内科および新潟大学医歯学総合研究科包括歯科補綴学分野より追加実験の依頼があった。測定によって得られたデータを包括的に成果発表するため、追加実験を行う必要があり、次年度に研究費を繰り越ししたうえで成果をすべて取りまとめる。具体的には嚥下時の姿勢に関する追加実験およびその考察を行う。
次年度使用額に関しては、共同研究機関である新潟大学医歯学総合研究科包括歯科補綴学分野との研究打ち合わせに使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Relationships between dysphagia and tongue pressure during swallowing in Parkinson's disease patients2018

    • 著者名/発表者名
      Minagi Y.、Ono T.、Hori K.、Fujiwara S.、Tokuda Y.、Murakami K.、Maeda Y.、Sakoda S.、Yokoe M.、Mihara M.、Mochizuki H.
    • 雑誌名

      Journal of Oral Rehabilitation

      巻: 45 ページ: 459~466

    • DOI

      10.1111/joor.12626

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 嚥下時舌圧測定を用いた口腔期嚥下障害の評価と舌接触補助床(PAP)製作における勘所2018

    • 著者名/発表者名
      皆木祥伴
    • 学会等名
      摂食嚥下リハビリテーション学会
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi