研究課題
1)データの収集:すでに平成20~24年に国立循環器病研究センター予防健診部において歯科検診を受診した吹田研究基本健診参加者の中で初回歯科検診から4年以上経過し、文書により同意を得た者に対して研究期間中に再評価を行った。また、同時に初回歯科検診も行い、ベースライン時の調査者数の増加を図った。平成30年度内に歯科検診再評価は117名であり、初回歯科検診は13名であった。2)グミゼリー咀嚼時感応と口腔機能の変化:ベースライン時ならびに再評価時の歯科検診にいずれも参加した1068名のうち、ベースライン時に歯数が20歯以上あり、再評価時にも歯数の減少の少なかった376名の歯科データより、ベースライン時にグミゼリーの噛みづらさがあるものはない者と比較して、フォローアップ時に咀嚼能率が有意に低下しており、グミゼリー咀嚼時感応は咀嚼能率低下の予兆となる可能性が示唆された。3)咀嚼能率低下予測モデル:ベースライン時ならびに再評価時の歯科検診にいずれも参加した1201名の歯科データを用いた。再評価時の咀嚼能率を目的変数とした重回帰分析を行った結果、ベースライン時の年齢、性別、機能歯数、最大咬合力、咬合支持、唾液分泌速度が有意な説明変数となった。これらの説明変数を予測因子として構築した咀嚼能率低下予測モデルは、約5年後の咀嚼能率低下を定量的に予測し、そのリスクの高いものを同定し、必要に応じた咀嚼指導や歯科補綴治療の介入により咀嚼能率低下を予防するうえで有用なツールになると考えられる。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)
Environ Health Prev Med
巻: 24 ページ: 15
10.1186/s12199-019-0770-3
JDR Clinical & Translational Research
巻: 3 ページ: 405-412