補綴歯科治療において顎堤の状態不良は、治療の成功を妨げる大きな要因となる。近年、ビスフォスフォネート(BP)製剤を初めとした骨吸収抑制薬の合併症として、骨吸収薬関連顎骨壊死(ARONJ)の発症が報告されている。関連学会からはポジションペーパーが示され、リスク因子や治療法について述べられているが、これらは医学的エビデンスに裏付けされたものではないことが強調されており、発症や進行と相関するバイオマーカーも明らかになっていない。本研究課題では、BP製剤投与と複合因子によりARONJを発症するモデルマウス作製法を確立するとともに、ARONJの発症前診断法開発のための基礎的検討を行った。
|