研究課題/領域番号 |
17K17199
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
田中 佑人 大阪歯科大学, 歯学部附属病院, 助教 (10711038)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 咬合高径 / 正確度 / 精度 |
研究実績の概要 |
本研究では、顎間関係を運動生理学的に決定する方法を開発することを目的とした。まず、咬合力を継時的に測定するための小型シリンダー状圧力センサを作製し、その校正実験を行った。その結果、信頼性の高い校正係数が得られた。そして、そのセンサが検知した力とターゲットフォースとを同時に表示させるためのビジュアルフィードバックシステムを作製し、その測定システムの安全性を確認した後に、ヒトを対象として測定を行った。 大阪歯科大学附属病院障害者歯科にて、安静時空隙利用法(Niswonger)を利用して咬合高径を決定した上下全部床義歯を製作し,良好な経過を得ている無歯顎者9名(男性6名,女性3名, 67.2±4.4歳)を選択した.被験者の咬合高径を変化させるために,小型シリンダー状圧力センサ安静時空隙利用法で決定された高径,そこから1.5mm高い高径,1.5mm低い高径を設定した. 被験者には、様々な顎間関係条件において、画面上に映し出されるターゲットフォースを狙って、自身の咬合力を調節するよう指示した。ターゲットフォースと、発揮された咬合力とのずれを正確度(Accuracy)とし、発揮された咬合力の安定性を精度(Precision)とし、両パラメータと顎間距離との関係を評価した。その結果、適正な咬合高径の条件では、咬合高径を変化させた条件と比較して、有意に高い正確度と精度が認められた。また、Bland-Altman分析によって、術者内信頼性と術者間信頼性を明らかにした。 以上の結果から、あるターゲットフォースに対して咬合力を発揮させた場合に、有意に優れた精度、正確度となるのは,至適な咬合高径においてのみであると考えられる. 従って,この関係を利用すれば,咬合高径を機能的に決定することが可能であると考えられる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
原稿を国際誌に投稿済みである
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今後の研究の推進方策 |
原稿受理に向け執筆を継続する。研究計画の変更や研究を遂行する上での課題は現段階では認められない。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定より安価に備品と材料を購入できたため次年度使用額が生じた。次年度使用分は予定使用分と合わせて、英文校正や論文投稿費に充てる予定である。
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