研究実績の概要 |
今年度の実績は,これまでの結果と問題点から様々な多孔性U-HA/PDLLAの比率,気孔率,気孔径が異なった複合体材料を作成し,in vitroにて,骨梁構造と近似した条件を導きだしていた. その結果,理想的な骨梁構造型骨補填材を作成しIn vivo での反応を確認するために,直径8mm,高さ2mmのディスク型ブロック形状に成型した.作製したブロック状の材料にrhFGF2適量比率を検討し,新生骨形成能を促進する方法を検討した. rhFGF2の操作性を向上させるために漿液性にし,多孔性U-HAへどのように浸透させるかを検討した.その結果遠心力を利用して浸透させる方法を採用した. 多孔性U-HA/PDLLA/rhFGF2複合体材料を動物実験モデルへ適用し,2つのタイムポイントにて経時的な観察をおこなった. 放射線学的検査では,rhFGF2群は対照群と比較して新生骨形成が促進している可能性を示唆した. マイクロCT観察では新生骨の形成が認められたため,組織切片を作成し組織観察および組織形態計測をおこなっている段階である. 対照群と比較して実験群の骨形成能が向上した理由として,rhFGF2の効果により血管新生が多孔性構造を有している材料内に形成された可能性があり,その結果材料内に骨形成に関与する細胞浸潤が活性化した可能性が示唆される.in vivoでの生体適合性・骨形成能・材料周囲の組織変化・材料の吸収及び形態変化を組織切片にて評価中である.それらの評価を今年度はおこない,国際雑誌に投稿する予定である.
|