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2018 年度 実施状況報告書

エピジェネティクス修飾を応用した3次元的歯胚形成能の検討

研究課題

研究課題/領域番号 17K17216
研究機関北海道医療大学

研究代表者

佐藤 惇  北海道医療大学, 歯学部, 講師 (30624267)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード歯胚形成
研究実績の概要

本研究では、エピジェネティクス修飾を応用し、歯根膜由来マラッセ上皮細胞から歯原性上皮幹細胞を作製し、間葉系幹細胞へ形質転換させた後、これらを用いた器官原基法による歯胚形成能について検討することを目的とする。近年、医療の分野では臓器再生を目指した研究が進められており、歯科では2009年に、摘出歯胚を上皮細胞と間葉系細胞とに分け、3次元共培養法である器官原基法を用いた歯の機能的再生が報告されて以降、歯胚を用いた歯の再生研究が進められている。研究代表者はこれまで、DNA脱メチル化剤の5-Aza-2'-deoxycytidine (5Aza)およびヒストン脱アセチル化酵素阻害剤のSodium Valproate (Vpa)を用いたエピジェネティクス修飾によってマラッセ上皮細胞の脱分化による上皮幹細胞の作製に成功した。この上皮幹細胞と間葉系幹細胞とを器官原基法を用いて共培養することで、歯を形成する為に歯胚を犠牲にすることなく、上皮-間葉相互作用による人工的な歯胚形成能を獲得できる可能性が期待され、エピジェネティクス修飾による歯の再生医療への可能性が広がると考えられる。
今年度は、1 μM 5Azaと2 mM Vpaで作製したブタマラッセ上皮細胞由来上皮幹細胞とブタ歯髄細胞を器官原基法によっって Type I Collagen gelで2日間共培養後、フローサイトメトリーを用いてAPC Mouse Anti-Human CD29の発現解析を行った。その結果、Azaと2 mM Vpaを用いないブタマラッセ上皮細胞とブタ歯髄細胞の共培養(Control)群に比べCD29陽性細胞数の上昇を認めた。CD29は歯胚形成に関与することから、エピジェネティクス修飾を用いた器官原基法は、人工的な歯胚形成能を向上させる可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度は、器官原基法(3次元共培養)にて歯原性上皮幹細胞と間葉系幹細胞との共培養を行い、FACSによる細胞の発現解析を行った。しかしながら、器官原基法による上皮-間葉細胞塊は細胞数が少ないため、解析に長期間を要したことが実験計画に遅れを生じてしまった主な理由である。

今後の研究の推進方策

次年度は、器官原基法によって作製した上皮-間葉細胞塊の効率的な作製方法を検討し、動物実験系における人工的歯胚形成能についても検討していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

実験進行の遅れにより、動物実験を行っていないことによる予定物品費の減少等により次年度使用額が生じた。
次年度は実験の進行により予定していた物品費が必要となる可能性があり、学会発表の予定もしている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Dedifferentiation and Direct Reprogramming of epithelial cell rests of Malassez into osteoblast like cells by epigenetic agents2018

    • 著者名/発表者名
      K. YOSHIDA, A. ONISHI, D. HIRAKI, T. MORIKAWA, F. HARADA, R. TAKAI, O. UEHARA, J. SATO, M. NISHIMURA, Y. ABIKO
    • 学会等名
      第66回国際歯科研究学会日本部会 (JADR) 総会・学術大会

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公開日: 2019-12-27  

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