研究課題
若手研究(B)
ドーパミン神経系が口腔領域の神経障害性疼痛の症状の緩和に関与するとの仮説を検討した。眼窩下神経を結紮して作製した神経障害性疼痛モデルラットに対して、ドーパミンD2受容体作動薬を投与すると、機械刺激に対するアロディニアが抑制され、またドーパミンD2受容体拮抗薬を投与すると、アロディニアが増強されることがわかった。ドーパミン神経系が神経障害性疼痛の緩和に関与することがわかった。
歯科麻酔学
ドーパミン神経系と神経障害性疼痛の関係について調べた研究は少なく、不明な点が多い。本研究は口腔領域の侵害性疼痛モデルラットを用いて、その一端を明らかにすることができた。特に、ドーパミンD2受容体作動薬がその症状を緩和することが示唆された点の意義が大きいと考える。生活の質(quality of life:QOL)が大きく損なわれている神経障害性疼痛患者の症状の緩和に関する研究に、基礎的なデータを提供することができた。