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2021 年度 実績報告書

口唇裂口蓋裂患児に対して行う術前顎矯正治療のメカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 17K17243
研究機関地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪母子医療センター(研究所)

研究代表者

大槻 浩一  地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪母子医療センター(研究所), その他部局等, 口腔外科・診療主任 (80736877)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード口唇裂口蓋裂 / 術前顎矯正治療
研究実績の概要

PNAM(Presurgical Nasoalveolar Molding)治療は、口唇裂口蓋裂患児に対する哺乳補助ならびに口唇形成術前の歯槽外鼻形態の改善、術後の外鼻形態の安定を目的に行われている。生後から口唇形成術前までPNAM治療を行った両側性唇顎口蓋裂(BCLP)患児10症例に対し、PNAM治療前後の口唇外鼻形態の継時的変化を3次元的に評価し、PNAM治療の効果を検討した。
PNAM装着期間は、140.0日であった。左右への偏位のある中間顎は、平均約29.9日で偏位が改善した。NAM治療前後で鼻尖角は、有意に減少を認め、鼻唇角は増大したものの有意差は認めなかった。このことから中間顎が内方に傾斜したことが明らかなとなった。顔面水平位に対する中間顎の傾斜角が90度に近づいた結果から、PNAM治療により偏位した中間顎を正中に矯正することが可能であったことが示唆された。
鼻柱最上点角は治療前後で有意に増加していた。このことは、鼻柱の延長もしくは、鼻孔底距離の短縮を意味している。しかし、本研究では、鼻孔底距離に変化を認めなかったことから鼻柱最上点角の増加は鼻柱の延長を示していると考えられた。また、PNAM治療前後で鼻柱長は偏位側で約1.7mm、非偏位側で約1.4mm有意に増加した。これは、PNAM治療のnasal stentの効果により鼻柱が延長した可能性が考えられる。しかし、治療期間の組織成長も考慮する必要があるため、顔面形態の各線的項目の増加率を計測した。その結果、鼻柱の増加率が顕著であった。このことは、顔面の成長と比較し、鼻柱がより成長をしていることが考えられ、PNAM治療は鼻柱延長効果を有することが示唆された。
以上より、BCLP患児に対するPNAM治療は、中間顎の後退効果と中間顎の位置の是正効果、鼻柱の延長効果を持つことが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 両側性唇顎口蓋裂における術前外鼻形態矯正効果の3次元的検討2021

    • 著者名/発表者名
      大槻浩一,山西整,藤林えみ,桐越晶子,上松節子,大西有理,井上直子,井上翠,西尾順太郎
    • 学会等名
      第45回日本口蓋裂学会総会学術集会・宝塚市
  • [学会発表] 両側性唇顎口蓋裂における口唇外鼻形態の短期的経過2021

    • 著者名/発表者名
      大槻浩一,山西整,藤林えみ,桐越晶子,上松節子,大西有理
    • 学会等名
      第66回日本口腔外科学会総会・学術大会・幕張市

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公開日: 2022-12-28  

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