多発癌は予後が不良である。生存率向上のために、早期に解決すべき課題は新たな癌発生のリスクを正確に評価するバイオマーカーの発見と考える。悪性化のリスクを正確に評価するバイオマーカーができれば、癌が発生する前に予防切除することが可能になる。 本研究では多発癌と単発癌の臨床的特徴の違いを検討した。粘膜病変の存在は多発癌のマーカーと考えられた。今後は扁平上皮癌での変異が多く報告されているp53とその他のタンパクやエピジェネティック異常を組み合わせてバイオマーカーとしての使用が確立されたら、多数の患者の予後に改善が見込める可能性があると考える。
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