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2017 年度 実施状況報告書

FGF2誘導性の骨芽細胞分化を促進するPP2A調節サブユニットの同定

研究課題

研究課題/領域番号 17K17262
研究機関九州大学

研究代表者

杉山 悟郎  九州大学, 大学病院, 助教 (00722828)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード骨芽細胞分化 / FGF2 / PR55β / PP2A
研究実績の概要

本研究の目的は、FGF2誘導性の骨芽細胞分化に関わるホスファターゼPP2A調節サブユニットの同定である。FGF2で処理した骨芽細胞に対して定量的リアルタイムPCR法を用いて、PP2A調節サブユニットのmRNAを網羅的に解析した。FGF2処理前に比べてPpp2r2b遺伝子の発現上昇が認められた。この遺伝子がコードするタンパク質PR55βもFGF2処理により、発現が認められ、FGF2阻害剤の作用によりその発現量が抑制されたことから、同分子がFGF2誘導性に発現してくるタンパク質だと考えられた。また、FGF2の骨芽細胞に対する影響については、骨形成の臨床的観点からは優れた作用が認められている一方で、分化に対して促進的に作用するのか抑制的に作用するのか明確になっていない。そのため、まずマウス骨芽細胞培養株を用いてFGF2の分化に及ぼす影響を検討した。骨芽細胞分化のマーカーとしてアルカリホスファターゼ(ALP)活性を用いた。FGF2処理によりALP活性は濃度依存的に抑制されたことから、骨芽細胞分化に対してFGF2は抑制的に作用すると考えられた。加えて、Ppp2r2b遺伝子のsiRNA導入による骨芽細胞分化に対する影響を検討するため、予備実験として同遺伝子のsiRNA遺伝子導入がうまく機能するか確認したところ、PR55βタンパク質は発現抑制されることが確認できた。しかしながら、遺伝子導入操作により骨芽細胞分化が阻害されることがわかり、この系を用いた実験ではPR55βの骨芽細胞分化に対する影響を検討することができないことが分かった。そのため、今後はPR55βの阻害剤の探索や中和抗体の使用などを検討し、適正な条件設定を行ったうえで骨芽細胞分化への影響をみていく方針である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究目的である、骨芽細胞分化に影響及ぼすFGF2誘導性PP2A調節サブユニットの同定に関しては、その候補分子としてPR55βに絞ることができたためである。この分子はmRNAの発現量、タンパク質発現量ともにFGF2処理により上昇することが確認され、FGF2の作用と何らかの関連性があるものと推察される。

今後の研究の推進方策

今後はこの分子の骨芽細胞分化に対する影響を解析していくことで、新規標的分子としての新たな知見が得られるものと確信している。解析方法については、siRNAを用いた実験系では細胞への有害性が強く、分化への影響を検討できないため、抗体を用いた作用や動物実験への移行など対応策を検討している。
また、FGF2の作用については、骨芽細胞分化に抑制的にはたらくことが示唆されたため、骨形成とどのようなメカニズムで作用するのかについても併せて検討していきたい。

次年度使用額が生じた理由

実験結果が予定していたものと異なった結果になり、検証実験などを行っていたため、他の実験に必要な物品費などの購入とならなかったため。また、臨床などにより予定していたよりも実験に費やす時間が少なくなってしまったため。

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公開日: 2018-12-17  

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