ANGPTL4遺伝子は低酸素誘導因子であるHIF1αの下流の遺伝子であることが報告されているが、OSCCにおいてもその制御下にあるのかは不明であった。そこで、低酸素環境下培養OSCC細胞株におけるANGPTL4の発現を調べ、通常酸素環境下培養のOSCC細胞株での発現と比較し、OSCC細胞株でもANGPTL4がHIF1αの下流の遺伝子であることを確認した。OSCCでのANGPTL4遺伝子座におけるHIF1αとCTCFの結合領域はわかっていなかった。そこで、それぞれの結合モチーフをもとに、両者の結合部位を同定し、通常酸素環境下と低酸素環境下それぞれで培養したOSCC細胞株でのHIF1αとCTCFの結合の変化および関係性について調べた。また、HIF1αの結合領域でのH3K4me1(ヒストンH3の4番目のリジン残基のモノメチル化)やH3K27Ac(ヒストンH3の27番目のリジン残基のアセチル化)などのEnhancerマークであるヒストン修飾の変化を調べた。低酸素環境下でのクロマチン構造の変化を捉えるために、3Cアッセイを検討中である。
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