研究課題/領域番号 |
17K17281
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
丸山 哲昇 琉球大学, 医学部附属病院, 医員 (60751493)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 口腔癌 / microRNA / 頸部リンパ節転移 / 予測マーカー / 扁平上皮癌 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、口腔癌における後発頸部リンパ節転移の機序解明および新診断法の確立である。特に、リンパ節転移との関連が強く示唆されている良性組織迷入(BI)に注目しており、その機序を明らかにするため、マイクロRNA(miR)解析を現在行っている。BI、癌組織などの遺伝子発現プロファイルを比較することでBIと後発転移癌の関係が明らかになれば、新たなリンパ節転移の機序および関連遺伝子の解明に繋がるのではと考えている。 具体的には、次の3つの段階で構成される研究を計画している。まず、癌組織などと比較し、BIに有意に高(低)発現するmiRを選定する(第一段階)。次に、口腔癌細胞株において選定したmiRの発現を操作し、その増減に伴う細胞機能の変化と関連遺伝子を解析する。さらに、解析結果から、miR関連遺伝子が関わる癌転移機序を検討する(第二段階)。最後に、移植動物モデルを用いた縦断的機能解析を行い、選定したmiRおよびその関連遺伝子が口腔癌細胞の頸部リンパ節転移にどのように関与するかをin vivoで明らかにする(第三段階)。 癌の転移を正か負のいずれかに制御するmiRおよびその標的遺伝子を同定できれば、制御が難しく予後を増悪させる後発頸部リンパ節転移の新たな診断法や治療法の確立が期待できる。また、後発転移予防が可能になれば、予防的頸部隔清術の頻用が回避できるため患者負担が軽減されるであろうし、一方で、高リスク群への予防的補足治療の確立にも繋がる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度の予定は、口腔癌症例のホルマリン包埋パラフィン固定(FFPE)試料からBIを探索し、BI特異的に発現が増減しているマイクロmiRを選定することであった。BIの探索にはステップセクション法などを用いたが、過去に報告されているほどの頻度では検出されず、最終的に計5例のBIが探索し得た。これらのBI組織のmiRマイクロアレイ解析はまだ終了しておらず、miRの選定にも至っていない。一方で、次年度以降に予定していた細胞レベルでの解析については、初年度の段階からmiR導入/抑制試験の下準備・予備実験が進んでおり、miRが選定されればスムーズに第二段階の試験に移行できる体制が整っている。また、臨床サンプルの回収も順調であるが、総合的には本研究の進行はやや遅れていると考える。
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今後の研究の推進方策 |
口腔癌細胞へのmiR導入の予備試験からは、使用予定の材料(口腔癌細胞株、トランスフェクション製剤など)を用いて導入効果が確認できている。十分なmiR選定を行ったうえで動物実験へ進行するのが望ましい。miR導入細胞を動物へ移植した場合、miR導入が維持されない可能性もあるため、十分な事前検討が必要と考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進行状況にあわせ、試薬の購入を次年度に繰り越しにすることにしたため。
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