研究課題
探索した良性組織迷入(BI)を試料としたレーザーマイクロダイセクション法ならびにマイクロRNA(miR)マイクロアレイ解析により、数種類のmiRを選定した。BIは希少疾患であり、アレイ解析結果の十分なvalidationサンプル探索が困難であったため、in vitro解析には予定以上のアッセイを用いる必要があった。miRを導入/抑制する手法(リポフェクション法、エレクトロポーション法)、増殖能アッセイ(MTS assay、EdU assay)、遊走能アッセイ(引っ掻きアッセイ、Transwellを用いた解析)、浸潤能アッセイ(Transwellとマトリゲルを用いた解析)、アポトーシスアッセイ、ならびにフローサイトメトリー法を用いて、選定したmiRが標的とする遺伝子について入念にin silico解析をし、それらの遺伝子をターゲットとしたウエスタンブロット法、siRNAによるノックダウン、デュアルルシフェラーゼレポーターアッセイならびにqPCR法の手技を確立した。選定miRの導入/抑制によるin vitro解析を行ったところ、あるmiR導入において口腔がん細胞の制御が確認できた(未発表)。in vivo試験においては免疫不全マウスの口腔に口腔がん細胞を移植することにより、頸部リンパ節転移および肺転移を起こすことが病理組織学的に診断でき、口腔同所移植モデルを確立することができた。複数の口腔がん細胞株を使用した移植試験においてHSC-3-M3が最も適切と判断できたが、アテロコラーゲンを用いたmiR投与の効果が期待できず、本邦で使用できるその他の投与方法の模索に難渋した。in vivo試験の目標は、頸部リンパ節転移において投与したmiRがどう影響するかを解明することである。そのため、in vitroでの成果をまず報告したうえで、今後もin vivoでの研究を継続していく予定である。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件)
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