顎骨壊死はビスホスホネート製剤使用中の患者における重大な合併症である。 本研究では、BRONモデルラットにおいてテリパラチド(TPTD)の効果および作用機序を調査した。ZOLの投与により骨壊死を誘発させた。4週間のZOL投与後、ラットに対して顎骨および大腿骨へ手術(ドリリング)を行った。ドリリング部に凍結乾燥したAggregatibacter actinomycetemcomitans菌を充填した。4週間待機した後、TPTDあるいは生理食塩水を間欠的に4週間投与した。それから、ラットより下顎骨・大腿骨をサンプリングし、骨壊死および骨再生を評価した。血清RANKL、OC、CTXも評価した。 TPTD投与はBRONJラットモデルの下顎骨および大腿骨において壊死範囲を減らし、骨新生を誘導した。さらに、TPTD投与は破骨細胞数を増加させた。根底にある作用機序としてTPTDによるRANKL蛋白レベルの誘導が示唆された。またTPTD投与群において血清中の骨代謝マーカー(OCとCTX)レベルを増加させた。 結論として、ZOLは破骨細胞に対してネガティブな効果を持ち、TPTDはZOLのネガティブな効果を削除することが判明した。TPTDは骨吸収防止と骨形成促進というポジティブな効果を持っていた。加えて、TPTDはBRONの治癒機転として破骨細胞生成を改善した。まとめると、われわれはTPTDの間欠投与がBRONJの効果的な治療になる可能性を提案する。
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