研究課題/領域番号 |
17K17292
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
宮本 重樹 東京医科大学, 医学部, 兼任助教 (80420975)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 組織内光線力学的治療 / タラポルフィンナトリウム / シリンドリカルディフューザーファイバー |
研究実績の概要 |
本年度はマウス肉腫細胞株Meth-Aを皮下移植したマウスにタラポルフィンナトリウム「ME2906」を用いた組織内光線力学的治療(Interstitial Photodynamic Therapy、 iPDT)による抗腫瘍効果の検討を行った。実験動物はマウス線維肉腫細胞株Meth-A を側腹部皮下に移植したマウス(BALB/c、雄、5週齢)を用いた。実験群は非照射群(n=7)、外照射(PDT)群(n=7)、組織内照射(iPDT)群(n=7)とした。外照射群に対してME2906を10mg/kgの用量で静脈内投与し、 投与2時間後に全身麻酔下でPDT半導体レーザーに接続した直射型ファイバーを用いて、腫瘍部位に照射エネルギー密度100J/cm2でレーザーを照射した。外照射群と同様の条件で、組織内照射群に対してシリンドリカルディフューザーファイバーを用いて、腫瘍組織内にレーザーを照射した。レーザー照射施行日の腫瘍体積を100%とし、施行3日目と7日目の腫瘍体積を相対腫瘍体積(Relative Tumor Volume、RTV)に換算し、治療効果を評価した。実験結果は施行3日目の非照射群とPDT(n=6)群、非照射群(n=6)とiPDT群のRTVに統計学的有意差(p<0.001)が認められた。施行3日目のPDT群とiPDT群のRTVに統計学的有意差(p<0.05)が認められた。施行7日目の非照射群とPDT(n=6)群、非照射(n=5)群とiPDT群のRTVに統計学的有意差(p<0.05)が認められた。非照射群に比べiPDT群は 3日目と7日目のRTVが小さいため、ME2906とPDT半導体レーザーを用いたiPDTは抗腫瘍効果が得られる可能性がある。PDT群に比べiPDT群は3日目のRTVが小さいため局所進行癌に対するiPDTは従来の外照射PDTよりも腫瘍進行を抑制する可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度はiPDTの効力を裏付ける非臨床試験を行えたため。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の試験で得られた問題点を抽出し、次年度の試験に生かしていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度の試験結果発表を行っていないため、次年度に学会発表、論文作成を行う予定である。
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