• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実績報告書

乳歯歯髄細胞由来iPS細胞からのLEF-1陽性幹細胞の単離

研究課題

研究課題/領域番号 17K17318
研究機関新潟大学

研究代表者

村上 智哉  新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (90791517)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワードiPS細胞 / 乳歯歯髄細胞 / LEF1
研究実績の概要

未分化であり自己増殖能力を有した幹細胞は、さまざまな組織への分化能を有している。幹細胞の中でも、間葉系幹細胞(MSCs)は、各種幹細胞特異的マーカーによって他の細胞とは区別され、再生医療分野において多くの疾患に対する臨床応用が期待されている。歯髄幹細胞はその性質がMSCsに類似し、歯科疾患に対する再生医療やその他全身疾患で応用が期待されている。LEF-1は、生物の発生に重要なwnt/β-cateninシグナルにおける転写因子であり、β-cateninを介してwnt標的遺伝子の転写に関わることがわかっている。また、iPS細胞を含めた幹細胞における未分化の維持・増殖に関与することも報告されている。LEF-1は歯の発生の初期の段階で関わることから、歯髄幹細胞を含めた未分化な歯系細胞においてマーカーとなるのではと考え、本研究においてプロモーターとして採用することとした。これまでの研究では、乳歯歯髄細胞へpiggyBacトランスポゾンベクターを用いLEF-1プロモーターを配したプラスミド(pTA-LEN)の遺伝子導入実験を行ってきた。本研究では同様のプラスミド(pTA-LEN)をiPS細胞へ導入し、LEF-1陽性乳歯歯髄細胞由来iPS細胞の単離を目的としている。フィーダー細胞上にて培養した乳歯歯髄細胞由来iPS細胞へ遺伝子導入後、薬剤選択の段階でフィーダー細胞ごとiPS細胞が剥がれてしまい、多くのiPS細胞が死滅する現象が続いた。そこでフィーダーフリーでの培養に切り替え、遺伝子導入から薬剤選択を安定して行えるよう培養条件を変更することとした。しかし、これまでフィーダー上で培養していた乳歯歯髄細胞由来iPS細胞をフィーダーフリーでの培養に切り替えたが、未分化の維持を安定させることが困難であり、今後はiPS細胞の培養方法のさらなる検討を行う予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Repeated human deciduous tooth-derived dental pulp cell reprogramming factor transfection yields multipotent intermediate cells with enhanced iPS cell formation capability.2019

    • 著者名/発表者名
      Soda M, Saitoh I, Murakami T, Inada E, Iwase Y, Noguchi H, Shibasaki S, Kurosawa M, Sawami T, Terunuma M, Kubota N, Terao Y, Ohshima H, Hayasaki H, Sato M
    • 雑誌名

      Sci Rep

      巻: 9 ページ: 1490-1502

    • DOI

      10.1038/s41598-018-37291-2

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Increased Expression of Cell Surface SSEA-1 is Closely Associated with Naive-Like Conversion from Human Deciduous Teeth Dental Pulp Cells-Derived iPS Cells.2019

    • 著者名/発表者名
      Inada E, Saitoh I, Kubota N, Iwase Y, Murakami T, Sawami T, Yamasaki Y, Sato M
    • 雑誌名

      Int J Mol Sci

      巻: 20 ページ: 1651-1666

    • DOI

      10.3390/ijms20071651

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 初期胚特異的糖鎖抗原SSEA-1は乳歯歯髄細胞由来iPS細胞の高度未分化状態を特定するマーカーとして有用である.2018

    • 著者名/発表者名
      稲田絵美, 齊藤一誠, 窪田直子, 村上智哉, 澤味規, 松枝一成, 早崎治明, 山崎要一
    • 学会等名
      第56回日本小児歯科学会大会

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi