口唇および口腔周囲軟組織の性状を硬さから評価するという本研究の特性上、どうしてもデータ採得機器の扱いや、人体表面に直接接触し計測するための安全性が担保されたデバイス先端形状の試作、検討にかなりの時間を要したが、業者、他学部の先生方とを繰り返し検討し、開発は完了した。 その後、データ採得に移行したが、採得方法に関して、共同研究者から再現性の観点から助言いただき、採得方法の開発を引き続き行った。 個性正常咬合者のデータ採得から健常者データ採得を開始しているが、被験者とデータ採得者が至近距離でデータ採得を行わなければならない必要性があり、最終年度とはいえデータの蓄積としては、難航している。しかし、ある一定の被験者数が集まらないとデータとしての信頼性が担保できないことからその蓄積が急務であると考えている。 しかし、本研究課題で得られたデータは、今までは、過去の研究で主に形態学的側面から治療ゴールを設定している現状において、全く新しい矯正歯科治療の新治療目標となる可能性がある。 また、口唇閉鎖不全を有する患者に対する筋機能療法の効果確認および動機付けに大きく寄与すると確信している。そのために、データ数を増やし、信頼性の高い情報として、発信する予定である。
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