研究課題
今年度は以下の研究を行った。実験1) MSCsの血管新生と破骨細胞分化に及ぼす影響についての検討を行った。まず未分化MSCsが破骨細胞前駆細胞の分化・増殖に及ぼす影響について検討した。RAW.264の生細胞数はMSCsとの共培養により、単離培養と比較して、16-64時間後に有意に大きかった。また、分化関連遺伝子マーカーの発現における検討では、未分化 MSCsにおいてM-CSFおよびVEGF遺伝子発現は6日目をピークに有意な抑制が認められた。RANKLの遺伝子発現は8日目まで有意な増加が認められたが、10日目には有意に抑制された。OPG遺伝子発現は、4-10日目にかけて有意に亢進した。そして、RAW264へのsRANKL添加により破骨細胞への分化がTRAP染色により、確認された。また、RAW264niokeruRANK、CSF1R、NfKbおよびNFATC1の遺伝子発現は、未分化MSCsとの共培養により、単独培養群と比較していずれも有意に抑制された。実験の結果より、未分化MSCsはRAW264との共培養においてRAW264における破骨細胞分化関連因子の発現を抑制し、破骨細胞の分化を抑制することが明らかとなった。また未分化MSCにより産生されたOPGを介した作用があることが示唆された。さらに、MSCsはRAW264の細胞増殖を亢進させることが示された。以上の得られた結果は、Journal of Oral Science に受理された。来年度は未分化MSCsが破骨細胞前駆細胞の走化性に及ぼす影響を検討するとともに、半導体レーザー照射がMSCsの分化および増殖に及ぼす影響について検討する。さらに、動物による検証を行う予定である。
2: おおむね順調に進展している
実験1の計画が完了し、概ね結果が得られ、Journal of oral science に2題受理され、おおむね予想された結果と実績も得られているため。
来年度は未分化MSCsが破骨細胞前駆細胞の走化性に及ぼす影響を検討するとともに、半導体レーザー照射がMSCsの分化および増殖に及ぼす影響について検討する。さらに、動物による検証を行う予定である。
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J Oral Sci
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