研究課題
平成30年度はIn vivoにおいて、ラットの臼歯を10gの至適矯正力(10g群)、50gの強い矯正力(50g群)にて牽引し、当該部の切片は免疫組織科学染色・蛍光染色を行った。In vitroでは、ヒト歯根膜細胞(hPDL cells)に至適矯正力モデルとして1.0g/cm2、強い矯正力モデルとして4.0g/cm2の荷重 (compression forces : CF)を作用させ、CF1g群・CF4g群とし、Notchシグナル、Wntシグナル関連遺伝子発現量・タンパク発現量を検討した。In vivoでは矯正力を加えたラットの圧迫側歯根膜には10g群、50g群共にWnt5a、Ror2、RANKL、Jagged1、Notch2陽性細胞の増加が認められた。In vitroではhPDL cellsにおいて、CF1g群・CF4g群共にJagged1、Wnt5aの遺伝子・タンパク発現の増大が認められた。また、CF1g群に比べ、CF4g群ではJagged1の発現の増大、CF4g群に比べ、CF1g群ではWnt5a発現の増大が認められた。また、昨年度の研究実績より、In vitro においてNotchシグナル伝達を阻害した際にはWnt5a遺伝子発現の増大が見られ、Wntシグナル伝達を阻害した際にはJagged1遺伝子発現の増大が認められた。これらのことから、矯正学的歯の移動時における歯牙移動及び歯根吸収にNotchシグナル伝達とWntシグナル伝達が相互に関与している可能性が考えられる。今後は引き続き、in vivoでの実験的歯根吸収モデルにて、シグナル伝達阻害剤を歯根吸収モデルラットの歯肉に注射し、歯根吸収阻害実験を行う。また、Hedgehogシグナル及びBMPシグナル等のシグナル伝達経路とのクロストークを検討する予定である。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (3件)
International Journal of Oral- Medical Sciences
巻: 17 ページ: 62-68
https://doi.org/10.5466/ijoms.17.62
巻: 17 ページ: 69-80
https://doi.org/10.5466/ijoms.17.69
巻: 17 ページ: 18-26
https://doi.org/10.5466/ijoms.17.18
巻: 17 ページ: 27-32
https://doi.org/10.5466/ijoms.17.27
Korean Journal of Orthodontics
巻: 48 ページ: 253-261
https://doi.org/10.4041/kjod.2018.48.4.253.
American Journal of Orthodontics and Dentofacial Orthopedics,
巻: 154 ページ: 788-796
https://doi.org/10.1016/j.ajodo.2018.01.023.