研究課題/領域番号 |
17K17341
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
宮本 豊 鶴見大学, 歯学部, 助教 (00633588)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 変形性関節症 / Asporin / 下顎頭軟骨 / 脛骨関節軟骨 / STR/Ortマウス |
研究実績の概要 |
OAモデルマウス(STR/Ortマウス)を用いて、下顎頭軟骨におけるasporinの発現と機能を解析し、変形性顎関節症とasporinとの因果関係を明らかにすることを目的として研究を進めている。これまでの解析では、3、10、30週齢のSTR/Ortマウスの下顎頭軟骨と脛骨関節軟骨においてOAの発現を解析していたが、OAは30週齢にのみ発現していたことが明らかとなった。2018年度においては、下顎頭と脛骨近心骨端部において、それぞれOAの発現時期の違いを明らかにするために、これまで解析していた10週齢、30週齢に加え、20週齢および25週齢のサンプルの回収も進めている。現在、各3サンプルずつ解析を行っているが、両者においてOAの発現はみられなかった。したがって、OAは下顎頭軟骨。脛骨関節軟骨ともに、25週齢では発現せず30週齢から発現し始めるということがわかった。今後、もう少しサンプルを蓄積し、OA発現のタイミングに差があるかを明らかにしていく予定である。 また、軟骨および骨破壊部位における破骨細胞の有無を観察するために、TRAP染色を用いてSTR/Ortマウス(Control:ICRマウス)における下顎頭軟骨と脛骨関節軟骨の組織学的観察を行った。その結果、STR/Ortマウスの骨破壊部位表面において、多数の破骨細胞が観察された。また骨破壊部位に隣接する軟骨部にもTRAP陽性細胞が観察された。本所見は脛骨近心骨端部だけでなく、下顎頭軟骨にも観察された。以上よりSTR/OrtマウスにおけるOAの発現と破骨細胞との関連を示す所見を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画前半の発現解析は完了した。おおむね順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
今後、Asporin発現ベクターを常に使用できるようストックした状態で、STR/Ortマウスの成長観察を行う必要がある。そのため、ベクターの管理を常に行いながら機能解析を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外の学会へ出張に行く予定だったが中止となり、次年度使用額が生じた。次年度は違う学会への旅費とする予定である。
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