研究課題/領域番号 |
17K17343
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
安井 憲一郎 大阪歯科大学, 歯学部, 助教 (70734292)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 自家骨移植 / 骨再生 / αーTCP / βーTCP / 複合化骨再生材料 |
研究実績の概要 |
現在、8週齢雄のSDラットを用いて、1)自家骨群(0.05g) 2)α-TCP群(0.05g) 3)β-TCP群(0.05g) 4)自家骨(0.025g)+α-TCP群(0.025g) 5)自家骨(0.025g)+β-TCP群(0.025g) の実験群の製作を行っている。各移植材料は、クリティカルサイズの骨欠損(直径:9ミリメートル、深さ:1.0 mm)を各ラットの頭蓋骨の中心に作成し、移植を行っている。 今後は、移植後4、6、8および12週目に安楽死させ、移植材料と頭蓋骨を一塊にして採取する。採取物はマイクロCTより得られた画像解析データと組織学的検査にて骨再生能の評価を行う。評価を行った後必要がれば、移植材料の比率を調整した、新たな実験群の製作を行う予定である。 現在、骨再生治療において、自家骨移植は骨再生ゴールドスタンダードである。しかし自家骨移植には、採取部の侵襲と移植後骨量が減少するという欠点がある。本研究の結果から、象牙質添加により自家骨採取量低減が可能となることを示唆し、採取時の侵襲緩和に貢献する。また移植後長期予後の成績の向上が望めるため、従来では治療不可であった症例でも、矯正治療やインプラント治療の可能にし、国民の歯及び口腔の健康、審美性を向上ににつながることを確信している。 更なる骨再生分野発展と人々の健康を目指し、自家骨の欠点を補う骨補填材料を自家骨と組み合わせる新たな骨移植法を今後も模索していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
複合化骨再生材料のシリーズを増やすべく、当初予定のないβ-TCP群も作製したために、動物移植実験に少し時間がかかることとなった。 通常の移植材料の実験では、移植後8週で終了し、結果を考察して行くことが多い。しかし今回もちいるアパタイトは生体内で吸収されるのに時間がかかり、新生骨に置換されるのに時間がかかると判断した。そこで移植期間が12週の実験群の製作したため少し時間がかかることとなった。 もう少し移植による予備実験を繰り返しフィードバックを行い、アパタイトの調整について模索できればよかったが、時間の制約のため思い通りとはならなかった。
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今後の研究の推進方策 |
実験群の移植実験がほぼ終了し、現在剖検待ちである。剖検後、骨再生能の評価を組織学的手法により行うと同時に、再生骨の骨質をマイクロCT により評価する。評価の結果をフィードバックしていき、自家骨に添加し、最適な再生能力を生み出す含有率等について結論を出していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
動物実験の期間が延び、動物実験後に行う組織分析が次年度にずれ込んだため。
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