研究課題
近年、糖尿病による心筋障害にはオートファジーの抑制も関与していることが指摘されるようになった。申請者は、以前、歯周病原細菌が感染している梗塞心筋では心破裂が頻発しており、その原因はミトコンドリア選択的オートファジー(マイトファジー)が抑制されているためであることを報告した。本研究ではこの成果を発展させ、糖尿病に歯周病原細菌の感染が併発することによる心筋機能障害の発症機序をオートファジー制御異常という観点から解明することを目的として研究を進めた。さらに、歯周病原細菌が有する病原体選択的オートファジー(ゼノファジー)を回避するしくみがマイトファジーも抑制しているかどうか検討した。293細胞や培養心筋細胞を用い、共焦点顕微鏡を用いて観察することにより、歯周病原細菌の感染がオートファジー制御異常を引き起こしていることを明らかにした。次に293細胞や培養心筋細胞に歯周病原細菌を感染させ、歯周病原細菌がオートファジー制御異常を引き起こすメカニズムの解明を行ったところ、歯周病原細菌がオートファジー関連分子Xを切断することで不活性化し、オートファジーを抑制していることが明らかとなった。また糖尿病モデルマウスと野生型マウスにて心筋梗塞を作製し、歯周病原細菌の感染により心機能が受ける影響について血液生化学検査や心エコー、組織標本を用いて比較・検討を行い、糖尿病における心筋梗塞後の心筋障害が歯周病原細菌の感染で増悪するかについて検討を行った。
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Journal of Periodontal Research
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