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2018 年度 実績報告書

NGSを用いた結紮誘導歯周炎の網羅的解析による急速な歯周組織破壊メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K17348
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

前川 祥吾  東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 特任助教 (20793574)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード結紮誘導歯周炎 / DAMPs / RNA sequencing / 発現変動遺伝子
研究実績の概要

本研究の目的は、結紮誘導歯周炎モデルマウスにおいて、RNAシーケンスを用いて歯周組織破壊に関わる遺伝子の網羅的な解析を行うことである。平成29年度において、9週齢のC57BL/6J雄野生型マウスを用いて、絹糸を上顎左側第二臼歯に結紮し、結紮誘導歯周炎を惹起させた。また右側は結紮せず、対照側とした。結紮前、結紮1・3・5・8日後にマイクロCT撮影を行い、3次元的な歯槽骨吸収を経時的に評価を行った。また、結紮3日後および8日後における同歯の組織切片を作製し、HE染色、TRAP/ALP染色を行った。結紮3日後の結紮側、非結紮側の歯肉サンプルを用いてRNAシーケンス解析を行い、発現変動遺伝子(differentially expressed genes; DEGs)を同定した。さらにGene Ontology (GO) 解析、DEGsの定量的PCRを行い、発現量および発現部位を評価した。最終年度において、DEGsの一つであるS100A8の免疫染色の解析、口腔内上皮の癌細胞であるCa9-22およびsiRNAを用いたin vitroの実験を行い、上皮細胞におけるS100A8の機能解析を試みた。
研究期間を通じて以下の知見が得られた。マウスにおける結紮誘導歯周炎は、結紮3日後から歯槽骨吸収が認められ、8日後には大きな歯槽骨の吸収が確認された。組織切片において、結紮側の歯根周囲の歯槽骨に破骨細胞が多く認められた。RNAシーケンス解析により、78個のDEGsを同定した。結紮側歯肉で発現上昇していたDEGsに対するGO解析より、免疫応答、結合組織代謝に注目し定量的PCRを行なったところ、顕著なS100a8の発現上昇を認めた。傷害関連分子パターン(damage associated molecular patterns; DAMPs)であるS100A8は、接合上皮に限局して発現していた。結紮による歯周組織の破壊に伴い、接合上皮におけるS100A8の発現が増加していた。さらに結合組織内においても発現していたことから、急速な歯周組織破壊にDAMPsであるS100A8の関与が示唆された。

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公開日: 2019-12-27  

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