歯周病菌抗体価が脳梗塞発症および予後への予測因子になりうるかを検討した。脳梗塞発症と歯周病菌抗体価との関連を検討するため、急性期脳梗患者と脳梗塞既往の無い患者の歯周病菌抗体価を測定し、背景因子や病型を含め比較検討した。その結果、菌種の違いにより脳梗塞病型やリスク因子への関与が異なる可能性が示唆された。次に、急性期脳梗塞患者の転帰と歯周病菌抗体価との関連について検討を行った。年齢や入院時重症度とともに、Fusobcterium nucleatumに対する血清抗体価が独立した転帰不良因子として抽出された。血清歯周病菌抗体価は脳梗塞発症および予後予測の有用なマーカーとなりうると考えられる。
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