研究実績の概要 |
糖尿病関連歯周炎では歯周組織における最終糖化産物 (AGE)の蓄積により炎症や組織破壊が促進し、病態が重症化する場合がある。しかしその詳細なメカニズムは解明されていない。本研究では、ヒト歯肉上皮細胞に着目し、S100A8が糖尿病病態の歯周組織においてどのような影響を及ぼすか検討を行った。ヒト歯肉上皮細胞においてAGEで発現が誘導されたS100A8はIL-6, CCL2およびSAA2など炎症関連因子を抑制した。また、S100A8は細胞内ROS産生量には変化を及ぼさなかった。これらの結果から、S100A8の持つ抗炎症作用が糖尿病病態の歯周組織における炎症の増悪を抑制し、生体恒常性を維持している可能性が示唆された。
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