研究課題/領域番号 |
17K17366
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
米澤 大輔 新潟大学, 医歯学系, 助教 (90711896)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 歯周炎 / 歯槽骨吸収 / 成人健診 / メタボリックシンドローム |
研究実績の概要 |
歯周疾患と心血管系イベントとの発症の関連について検証を行っている。 方法は、 長野健康センターで2004年4月から2015年3月までに人間ドックを受診した全受診者のうち, ベースライン時と5年後のデータおよびパノラマX線写真撮影が揃っている者194名(男性153名,女性41名,平均年齢55.2±9.4歳)を対象とした。パノラマX線写真より歯槽骨吸収量を測定し,ベースライン時の歯槽骨吸収量が中等度以上の者と軽度吸収の者の2群と各全身疾患マーカーのうち、 心血管系イベント検査項目の基準値との関連についてクロス集計にて解析を行った。また, ベースライン時と5年後の検査値の変化量について, 対応のあるt検定を行った。さらに、ベースラインと5年後のデータおよびパノラマX線写真撮影が揃っている者で、10年後のデータまで揃っている者について、解析を行っている。5年後よりもさらに歯槽骨吸収量が中等度以上の者で動脈硬化指数・中性脂肪の値が有意に高かった。また、ベースライン時の値と5年後の値を比較した変化量では、動脈硬化指数・中性脂肪・LDLコレステロールの項目について、中等度以上の者で軽度吸収の者より有意な悪化が認められた。歯槽骨吸収量は心血管イベントリスク関連の検査項目のうちメタボリックシンドローム関連の指標値と関連することが示された。また、歯槽骨吸収が中等度以上であると, メタボリックシンドローム関連の指標値の経年的悪化が顕著である可能性が示唆された。当初予定では、今年度が最終年度の予定であったが、結果の公表について、遅れが生じているため、繰り越しし、次年度は、結果の公表を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
10年後のデータの回収に時間がかかり、解析が当初終了予定の3年目で終わらなかった。今後、解析を行い、結果の公表を行いたい。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、追加データの解析を進め、結果の公表を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年3月に研究成果発表を行う予定であった、国際学会がコロナウイルスの影響で中止となり、国際学会参加旅費を使用しなかったため。今後、最終年度の研究成果報告に使用したい。
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