研究実績の概要 |
本調査は、循環器疾患、慢性腎臓病、糖尿病などの全身疾患に対する歯・口腔の健康と全身の健康との関連を疫学的に解明することを目的としている。メタボリックドミノ進展要因として食生活と身体活動の与える影響の解明を目的とし、新潟県魚沼圏域にて40歳以上を対象に実施されている調査にて歯科的な分析・追加調査を実施している。 令和2年度は、アルコール摂取量と現在歯数の関連について対象者を拡大して分析をおこなった。対象者は、40歳から97歳の男性3,691名、女性3,747名である。分析に当たり、対象者を年齢により、3群(40~50代,60~70代,80~90代)に分けた。さらに、アルコールによる影響が男女別で異なることを考慮し、男女別で分析を行った。アルコール摂取量は1週間当たりのエタノール摂取量(0g,1~149g,150~299g,300~449g,450g以上)の5群に分けた。分析の結果、60~70代男性において1週間のアルコール摂取量と現在歯数との間に有意な関連がみられた。アルコール摂取が現在歯数の減少にどのように影響するか、年齢・喫煙・糖尿病・高血圧等の現在歯数とアルコール摂取に共通して関連する因子について分析を進めている。また、アルコール摂取による栄養摂取状況の変化が現在歯数に与える影響についても分析を進めている。さらに、歯・口腔の健康と全身の健康との関連について、慢性腎臓病や心房細動との関連について分析を行い、学会発表をおこなった。
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