研究実績の概要 |
本研究は、アルコール摂取を含む栄養摂取状況が歯周病に与える影響や関連する交絡因子を明らかにすることを目的としている。大規模な調査や詳細な健診結果、栄養摂取状況の調査からアルコール摂取状況を含む栄養摂取状況の歯周病など口腔内への影響や交絡因子について明らかにし、全身の健康にも結びつく医療系体系の構築に寄与する。 令和4年度は、ベースライン調査の40歳以上の地域住民25,216名を対象とし分析をおこなった。先行研究では、アルコール摂取による口腔内や全身の健康への影響について、アルコール摂取状況や摂取量の推定が明確に分類されていないものが多かった。本研究では、アルコール摂取状況と摂取量の推定を明確におこなった。アルコールの摂取状況は、「非飲酒者/過去飲酒者/現在飲酒者」の3つのカテゴリーに分類した。また、現在飲酒者は、1週間あたりのエタノール摂取から週150g未満/週150~299g/週300~449g/週450g以上の4つのカテゴリーに分類した。また、口腔内の状況を示す指標は現在歯数とし、男女別に分析をおこなった。その結果、アルコール摂取状況および1週間の摂取量と現在歯数は関連がみられ、その関連には性差がみられた。アルコールの摂取状況と1週間の摂取量が歯の喪失に影響することが示唆された。 また、令和4年度は、ベースライン調査の残余検体から、インターロイキン-6および高感度CRPの測定をおこなった。アルコール摂取状況および摂取量との関連について、分析を継続する。
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