研究課題/領域番号 |
17K17374
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
後藤 崇晴 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 助教 (00581381)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 口腔機能訓練 / 前頭前野 |
研究実績の概要 |
超高齢社会に突入した我が国においては、高齢者に対する適切な口腔機能管理の重要性が指摘されており、その機能を維持・向上するための様々な口腔機能訓練法が用いられている。しかし今日まで用いられている口腔機能訓練法において決定的に不足している点は、単に筋力や運動性の維持・向上にしか着目していない点とより中枢とくに脳機能に対する影響を考慮していない点である。本研究ではニューロフィードバックトレーニング(NFBT)を応用した新しい口腔機能訓練法を開発し、従来の訓練法と比較したその有効性を評価することを目的とする。平成29年度はまず測定システムの構築および評価項目の設定として、ニューロフィードバックトレーニングを用いた口腔機能訓練法の構築、評価項目の設定、測定プロトコールの作成を行った。まずは、フィードバック情報として前頭前野の脳血流量を用いることとした。口腔機能訓練として“咬合力”を設定し、ロードセルと治具を用いて、第一大臼歯の咬合力を測定した。訓練時のタスクとして試験者が指示する範囲内で力を維持するように指示する、“維持タスク”を設定した。ロードセルからの信号をデジタルデータインジケータを介してサンプリングし、出力結果をフィードバック情報としてモニター上に表示するシステムを構築した。これらのシステムを用いた実験結果も平成29年度に報告している。当初、舌圧と口唇閉鎖力も機能訓練の対象としていたが、圧力センサーの選定に時間を要したため、平成30年度早々にこれらの測定システムを構築し、最終的なプロトコールを作成する予定である。そして、それらのシステム、プロトコールを用いて、口腔機能訓練群(NFBT群)、通常の口腔機能訓練群(通常群)、口腔機能訓練を施行していない群(コントロール群)の3群において臨床研究を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成29年度はニューロフィードバックトレーニングを用いた口腔機能訓練法の構築、評価項目の設定、測定プロトコールの作成を行った。口腔機能訓練としての咬合力測定システムは構築できたが、当初予定していた舌圧と口唇閉鎖力に関して機器の選定含め、システム構築に時間を要しているため、物品費、消耗品費の使用が平成30年度へ移行した。平成30年度には、この経費を用いて測定システムの構築に伴う消耗品を購入し、臨床研究を進めていく。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、口腔機能訓練として“咬合力”、“舌圧”、“口唇閉鎖力”の3項目を設定している。ロードセルを用いた咬合力測定システムは既に構築しているが、平成30年度早々に舌圧、口唇閉鎖力を含めたすべての測定システムを構築する。訓練時のタスクとして試験者が指示する範囲内で力を維持するように指示する、“維持タスク”を設定している。各センサからの信号はデジタルデータインジケータを介してサンプリングし、出力結果をフィードバック情報としてモニター上に表示するようシステムを構築している。口腔機能の評価項目は咀嚼機能、嚥下機能、認知機能の3項目としている。咀嚼機能は色変わりガムを用いた食品混合能力評価、嚥下機能は反復唾液嚥下テスト、認知機能は認知機能簡易評価尺度を用いてそれぞれ評価する。口腔機能訓練群(ニューロフィードバックトレーニング群)、通常の口腔機能訓練群(通常群)、口腔機能訓練を施行していない群(コントロール群)の3群を設定し、施行前の認知、咀嚼、嚥下機能を評価した後、3か月間の介入研究を行う。その後、再度機能評価を行い、従来の訓練法と比較したニューロフィードバックトレーニングを応用した新しい口腔機能訓練法の有効性を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究では、口腔機能訓練として“咬合力”、“舌圧”、“口唇閉鎖力”の3項目を設定している。咬合力に関するシステムは既に構築しているが、舌圧と口唇閉鎖力に関しては機器の選定含め、システム構築に時間を要しているため、物品費、消耗品費の使用が平成30年度へ移行したため。平成30年度には、この経費を用いて舌圧、口唇閉鎖力を含めたすべての測定システムの構築。臨床試験に伴う物品費、消耗品を購入し、臨床研究を進めていく。
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