研究課題/領域番号 |
17K17377
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
井川 一成 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 客員研究員 (80584739)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 高齢者歯科 / ストレス評価 / 障がい者歯科 |
研究実績の概要 |
本研究は、歯科疾患に起因する疼痛や歯科治療行為に対するストレスについて、質問票調査にもとづく主観的評価指標と、脳波測定、唾液中ストレスマーカー測定、脳血流計などによる客観的評価指標との相関性を評価することを目的としている。最終的には意思の表出が困難な高齢者および高度障がい者を対象として歯科関連ストレスを客観的指標により正確に把握し、近年特に要望の高まりを見せている高齢者・障がい者への歯科臨床において、より効果的に苦痛の低減を図るための歯科診療モデルを策定することを目的としている。 本学倫理委員会への提出に際し、当初予定されていた評価項目からの見直しを行った。現状において、健常者を含めた歯科治療行為に伴うストレス評価についての基礎的データに乏しい状況であるため、まずは健常者を対象として基礎データの収集を行うこととした。評価項目については、録音音声等の疑似的な歯科治療環境の再現では十分な結果が得られにくいことが懸念されたため、実際の治療行為のなかで高齢者や障がい者において実施される頻度が多いと考えられ、かつ不可逆的な侵襲を伴わない診療項目(機械的歯面清掃、スケーリング等)に変更を行った。なお、客観的評価指標についても、短時間の実験において評価が容易な項目である光トポグラフィを用いた脳血流測定を中心に評価を実施することとした。 倫理委員会での審議を経て、機材および実験環境の整備を行い予備実験を実施した。歯科治療行為に対するストレス評価について、脳血流計測の有効性が示される可能性が高いことが明らかになったため、現在、本実験への実験プロトコルの作成および実験協力者の募集を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
倫理委員会への提出および審議に際し、研究計画の更なる見直しが必要となった。研究責任者および研究協力者の多忙により会議および実験の日程が限定されており、研究計画の進行に遅れが生じていたが、研究体制の有効な構築が可能となったため、遅れは解消されてきている。
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今後の研究の推進方策 |
予備実験まで終了しているため、本年度前期までに規定数の協力者を対象とした本実験を実施し、歯科関連ストレス評価における基礎的データの収集を行い、研究責任者所属学会学術大会への発表を予定している、
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次年度使用額が生じた理由 |
理由:平成31年度に実験の実施および、学会発表への費用を関連予算として予定している。 使用計画:データ収集および解析について個人情報への外部流出を防ぐため、本研究専用の解析用PCおよびデータ管理用ハードディスクを設備備品費として計上する。また、ストレス評価に用いる実験機材費を計上する。消耗品として質問票や説明資料作成に係る費用を計上する。また、学会発表および論文投稿等への関連費用を計上する。
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