研究課題
若手研究(B)
歯科治療に関するストレスについて、客観的評価仕様に基づいて評価したケースは多くなく、基礎的なデータの蓄積は十分になされていない。本研究では、2018年度および2019年度に基礎的なデータ蓄積を目的として、まずは健常なボランティア20名を対象として、基本的な歯科治療項目について近赤外線分光法を用いた脳機能測定によるストレス評価を実施した。合わせて実施した質問表調査による結果とともに相関性の検証を行った。
老年歯科学
歯科診療において行われる頻度の高い診療項目や、一般的に心理的負荷が強いと言われている項目について、客観的評価指標と主観的評価指標に基づいてストレス評価を行い、一定の相関性が得られたことから、近赤外線分光法(NIRS)による歯科関連ストレス評価の信頼性向上に寄与することができた。今後は、意思の表出の難しい対象者についてもストレス評価を適正に実施できる可能性が示唆され、今後の高齢者、高度障碍者に対する歯科診療における苦痛低減プロトコル策定に向けた基礎的なデータの蓄積がなされたと考えられる。