研究課題/領域番号 |
17K17378
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
峰元 洋光 鹿児島大学, 附属病院, 医員 (50769015)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 栄養 / 摂食嚥下 / 咀嚼 |
研究実績の概要 |
本研究では、高齢者及び口腔主要患者においては補綴治療後に栄養食事指導を実施して行動変容を起こすことによってはじめて栄養状態が改善されるという仮説を立て,高齢義歯患者の治療前後において,咀嚼を含む摂食嚥下機能評価ならびに食事と栄養摂取の評価を行い,栄養食事指導の介入の有無による栄養摂取状態を比較検討することを目的としている。同時に高齢者の摂食嚥下機能の評価レベルに対する食事内容と栄養摂取状態がどのような状態にあるかの基礎的データを副次的に採取することも目的としている。 研究実施のための環境・設備を整え、鹿児島大学倫理審査委員会の承認を受けた後、被験者を募りデータの採取を現在進行させている状況である。 研究環境としては本年度は体組成計の購入や各種検査キットをそろえることに力を入れ、また、被験者を募るうえで教室員の協力だけでなく口腔腫瘍患者も対象に加え、検討を施すため研究体制として教室員だけでなく、協力を仰げる口腔外科の教室員と協力関係の構築まで行うことができた。 本研究で採取されたデータに検討を加えていくことで、栄養食事指導の必要性が実証されることによって,歯科医療と栄養管理が結びついた医療の実践方法が提案でき、歯科医療従事者が管理栄養士や医師と連携して,摂食嚥下機能状態,栄養状態ならびに全身状態を把握した栄養食事指導が実施できれば,歯科医療が医療として,健康やQOLの維持・向上ならびに疾病の予防に栄養管理という観点からも重要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究において、被験者を集うにあたり鹿児島大学倫理審査の承認を受ける必要があり、承認を得られるまでに多くの時間を要したことが最大の要因と考えられる。 それに伴って被験者を集うことにも遅れが生じてきている状況である。 上記のように、本年度は研究環境の整備、研究体制を整備することに多くの時間を要したが、研究環境・設備はおおむね整いつつあるため、今後は、データの採取に重きをおき、採取されたデータに比較検討、解析を加えていく予定となっている。
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今後の研究の推進方策 |
研究体制、研究環境の整備が初年度にておおむね終えたため、対象被験者を高齢義歯患者40症例,口腔腫瘍患者32症例と定め募っていく。 それぞれの高齢義歯患者,口腔腫瘍患者ともに術後の個人対応型の栄養食事指導の1回実施群,複数実施群,非実施群(療養と義歯の指導群)の3群に1:1:2の割合で無作為に割り付けを行い、順次データの採取を行う。 本研究は臨床研究であるため,被験者の協力が最も重要であり被験者数の確保が必須であり,当教室の教室員の協力を十分仰げるように努力する。本研究内容においては,義歯の装着前後の機能評価に違いが生じず,栄養食事指導を行っても栄養摂取状態に変化が認められない等の栄養食事指導による栄養改善の有意な結果が得られない場合が当然考えられるため,咀嚼機能や嚥下機能の程度によって食事状況あるいは栄養評価との関連を検討する研究,栄養学的見地から義歯や残存歯数の状態による食事状況を検討する研究に置き換え検討する。また,歯科臨床で用いやすい簡便な栄養評価方法について検討する研究としても代替策を考慮する。
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次年度使用額が生じた理由 |
被験者を募ることに遅れがやや生じているため人件費、その他経費を使用しなかったため次年度使用額が生じた。 次年度使用額に関しては、次年度に被験者が集まれば論文投稿費用や人件費に使用する。
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