内頸動脈狭窄症はアテローム性動脈硬化症が原因で生じる疾患である。過去の研究でアテローム病変部位から口腔細菌の検出を認め、口腔細菌とアテローム性動脈硬化症との関連が示唆されてきたが、特定の細菌に着目された研究が多かった。本研究では、内頸動脈狭窄症患者の頸動脈と口腔内プラークの細菌叢を16S rRNAメタゲノムシーケンスで網羅的に解析し、細菌叢の比較検討を行った。その結果、頸動脈プラークから口腔常在菌を含んだ多くの種類の細菌を多数認めた。口腔内だけでなくアテローム病変で認める細菌もまた複雑な微生物叢からなる多菌感染症と考え、アテローム形成・促進にどう関与しているか引き続き研究の必要がある。
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