研究課題/領域番号 |
17K17404
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研究機関 | 宮城大学 |
研究代表者 |
佐藤 可奈 宮城大学, 看護学群(部), 准教授 (00757560)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 医療安全 / 看護管理 / 看護教育 |
研究実績の概要 |
患者や家族から看護師に対する攻撃的言動への対策は、当事者への被害防止だけでなく、患者に安全かつ質の高いケアを提供するためにも急務である。これまでに進められてきた組織的な院内暴力対策だけでなく、個々の看護師を対象とした、攻撃性への対処能力育成を図る教育的取組みが必要である。 本研究の目的は、患者・家族の攻撃性に対する臨床看護師の対処能力を育成するための教育プログラムを構築することである。本研究は、教育プログラムを構築し、現任教育および看護基礎教育への導入を実現することにより、臨床看護師の攻撃性への対処能力の底上げを目指す、一連の研究プロセスの中盤の段階にあたる。 平成29年度は、先行研究「臨床看護師の攻撃性対処能力育成のための教育の範囲と構成要素の同定」でのインタビュー調査やヒアリングから抽出された構成要素を、重点的教育内容及び教育方法に展開するための準備を行った。具体的な実施内容および成果は、①先行研究の分析過程の見直しと下位カテゴリーの抽出と整理を行うことにより、看護学領域にとどまらない既存の教育内容との共通部分を明確にできたこと、②入手可能な看護基礎教育課程や各種認定講座のシラバスおよび教科書・参考書における、構成要素および周辺概念を探索することにより、看護学領域における既存の教育内容・方法とその動向を把握し整理できたこと、③他領域にて実施されている関連内容の研修の受講および講師とのディスカッションにより、一部の内容について具体的教育方法の示唆を得ることができたことである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記の準備にあたり当初の想定より時間がかかったため、所属の移動に伴う倫理審査プロセスへの影響を考慮し、調査とその他の研究スケジュールを入れ替えたことが主な理由である。
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今後の研究の推進方策 |
1)横断的調査 平成30年度に明らかとなった成果をもとに教育内容・方法のニーズを問う質問紙を作成し、所属機関の倫理審査委員会の承認を得たうえで、臨床看護師500名程度、看護師養成教育機関に在籍する学生500名程度を対象とし、ウェブ調査によりデータ収集を行う。進捗状況の遅れに対しては研究補助者の雇用により作業の効率化をはかることで対応する。
2)エキスパートによるデルファイ法 明らかとなったニーズをふまえ、教育および実践に携わる5名程度の対象者を選定してデルファイ法を用い、現任教育ならびに看護基礎教育課程における教育プログラムの試案を作成する。進捗状況の遅れに対しては、スケジュール調整を見越して範囲を拡大して協力依頼を行うことで対応する。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査を延期したことにより、調査に関連した費用を持ち越す形となったこと、また、所属変更を見越して購入を延期した物品が複数あったことが主な理由である。
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