研究課題/領域番号 |
17K17413
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研究機関 | 福岡県立大学 |
研究代表者 |
清水 夏子 福岡県立大学, 看護学部, 助教 (80468305)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 東洋(漢方)医学 / 看護基礎教育 / 看護系大学 / 看護学生 / 調査協力 |
研究実績の概要 |
本研究は、近年の臨床や医療界における東洋(漢方)医学に関する教育や治療を積極的に取り入れている現状に対し、看護基礎教育に於いては学修指定はなく、東洋(漢方)医学教育が全国的にほぼ実施されていないこと、さらに看護学生たちは自身の漢方治療経験や漢方に関する伝聞により、良くも悪くも感覚的なイメージを抱いており、そのイメージは誤解をしている部分が多いという先行研究結果を踏まえて実施する。 研究目的は、東洋(漢方)医学についての看護学生のイメージや学習意欲が学修期間(4年間)でどのように変化するのかを追跡調査し、看護基礎教育における東洋(漢方)医学教育の必要性を検討するものである。 データ収集は筆者が交流ある看護系大学を中心に学長もしくは学部長、学科長に2017年度入学生を対象とした匿名での追跡アンケート調査の依頼を計18校に行った。しかしながら調査段階で未成年である学生を対象とした追跡調査に関して、各大学の長からの調査協力を得ることが困難あった。そこで当初の計画では、データ収集期間を2017年5~9月としていたが、12月まで延長し、5校の看護系大学からの調査協力の承認が得られ、総計495名の看護学生に調査協力依頼およびアンケートを配布し、192名(38.8%)回収することができた。 アンケート結果(一部)より、看護大学1年生は、東洋(漢方)医学に対しての興味が、“非常にある”6名(3.1%)、“少しある”45名(23.4%)、どちらでもない51名(26.6%)、あまりない67名(34.9%)、全くない22名(11.5%)であった。また東洋(漢方)医学に関する科目の受講意欲は、是非受講したい15名(7.8%)、受講したい65名(33.9%)、わからない82名(42.7%)、受講したくない23名(12.0%)、全くしたくない5名(2.6%)であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の初年度(2017年度)は、筆者が所属する大学の倫理審査委員会における研究計画の承認と研究協力者(2017年度の看護系大学入学生)が所属する大学の長の調査許可が得られた上で実施した。初回調査は、直接、研究協力者に本調査の目的・方法・倫理的配慮を説明した後、同意を取り交わし、アンケート調査(データ収集)を行った。 データ収集は、筆者が以前より交流ある看護系大学を中心に学長もしくは学部長、学科長に看護学生(以降、「学生」と記す)を対象とした匿名での追跡アンケート調査の依頼を計18校に行った。しかしながら、調査段階で未成年である学生を対象とした追跡調査に関して、各大学の長からの調査協力を得ることが困難あった。そこで当初の計画では、データ収集期間を2017年5~9月としていたが、12月まで延長し、5校の看護系大学からの調査協力の承認が得られ、総計495名の学生に調査協力依頼およびアンケートを配布することができた。 本研究の追跡調査に最終回まで協力する学生数は、複数の先行研究の結果を参考にすると初回調査依頼をした内のおよそ1~2割程度と見積もっていた。そのため、初回調査依頼はおよそ500名程度を目指していた。したがって、2017年度は、概ね順調に進捗したと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の特色・独創点は、東洋(漢方)医学についての看護学生のイメージや学習意欲が、講義、演習、実習と段階的に積み上げ学習をしていく中で、学修期間(4年間)でどのように変化するのかを追跡調査して比較していくことである。したがって、調査協力に同意した学生に対し継続的な調査協力が今後の研究推進の重要なポイントである。そこで推進の方策として、調査協力者(以降、「学生」と記す)との連絡が途絶えないために年に2度(夏時期と年度末)に住所変更の有無を確認するハガキと調査協力および継続の謝礼(文具)の郵送を行う。 2018年度は、学生は2年生に進級し、基礎看護学実習に臨む。初めての臨床実習での学びや体験は、東洋(漢方)医学についてのイメージや学習意欲に刺激を与えるものと推察し、基礎看護学実習の前後(計2回)、アンケート調査を実施する。実習時期については、予め調査協力の承認をした大学の長に確認し、調査のタイミングを計る。本研究の調査協力が学生の負担感にならないためにも、アンケート紙への匿名回答・返信郵送に限定せず、より簡便なQRコードを用いたモバイル匿名回答・返信も可能なように環境を整えて、任意の調査協力を促し、より多くのデータ収集の達成を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
<次年度使用額が生じた理由> 計画が順調に進んだため、研究に必要な物品、旅費等必要な経費を執行した後に、若干の残金が発生した。
<使用計画> 平成30年度の助成金と併せて、書籍2冊(「東洋医学の教科書」「東洋医学のきほん」)の購入に使用する。
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