本研究の目的は、基礎看護教育において一般的になっていない東洋医学教育についての必要性と課題を明らかにすることである。本研究では、看護系大学在学中に東洋医学教育を受講した学生と受講しなかった学生、両群を対象とした。対象者の1年次から4年次、計4年間の在学期間を通して、学んだ講義、演習、実習を経て東洋医学に関するイメージや受講意欲等に変化があるのではないかと仮定し、郵送法やWebを活用した追跡調査(2017-2020年の4年間、計5回)を計画的に実施することとした。 調査を進めるにあたり、16校の看護系大学に対して調査協力の依頼を行った。その結果、5校の看護系大学からの調査協力の承認が得られた。その後、2017年の第1回調査では、総計495名の看護学生に対し、調査協力依頼およびアンケート紙を配布し、192名(38.7%)回収することができた。以降、2018年度に実施した第2回調査では、130名(67.7%)回収、第3回調査では、109名(56.7%)回収した。2019年度に実習した第4回調査では、123名(64.0%)回収、2020年度に実施した第5回調査では、117名(60.9%)といずれの調査も高い回収率でデータを収集することができた。 また追跡調査が終了した2021年度以降は、これまで収集したデータを扱い、分析、検討をおこなった。 2023年度は、第73回日本東洋医学会学術総会において、シンポジウム「漢方でさらに深める看護の魅力~教育から実践まで~」にて、「看護基礎教育における東洋(漢方)医学教育の必要性~看護大学生に対するアンケート調査結果より~」と題し、発表を行った。
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