これまで同様にA県被災者支援センターで個別支援が必要となるパーソナルサポート支援チーム会議および健康相談会に定期的に参加し、多職種と協議を重ね、被災者の現状把握に努めてきた。一昨年は、広域避難者に対する継続支援の在り方を検討するため、これまで継続支援を担ってきた看護職者の実践内容を取りまとめて論文として発表することができた。また、昨年はA県被災者支援センターの震災当時からの受け入れや現在も続く支援体制の実践内容をテキストとして、取りまとめその一部を執筆することができた。そして、今年度は、A県被災者支援センターに所属するボランティアスタッフの実践内容を取りまとめ論文として発表することができた。 研究期間を通して、震災後、A県被災者支援センターのスタッフや、関連する看護職者およびボランティアスタッフなどは広域避難した高齢被災者の心情的理解や加齢による身体的・精神的変化等の困難に直面しながら自立を促す関わりがあった。継続こそが高齢被災者と親和的な関係性の基盤を成し安心できる存在であったことから支援の持続化に向け、今後も引き続き関連機関と包括的な支援体制の構築が急務であることが示唆された。
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