研究課題/領域番号 |
17K17424
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
黒澤 昌洋 愛知医科大学, 看護学部, 講師 (00586068)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 特定行為研修 / 教育システム |
研究実績の概要 |
本研究は,看護師特定行為研修(区分別科目)の教育システム開発を目的とする。平成29年度は,これまで各講義担当者の創意工夫で行われてきた教育を整理し,共通した枠組みを使用して教材を開発しながら,21区分38行為の特定行為研修の講義・演習を実際に行った。(1)自己学習のためのe-ラーニングシステムでは,特定行為区分に含まれる特定行為に共通して学ぶべき事項の一部について,学生の事前学習とプレゼンテーション及びプレテストの実施を行い,e-ラーニングが可能かどうか検討した。(2)標準化された講義資料では,特定行為ごとに学ぶべき事項に加えて,特定行為のエビデンス及び医療安全事例を追加して講義資料を作成し,講義を行った。(3)効果的な演習教材では,販売されている複数の企業のシミュレーターを使用して演習を実施し,効果的な演習の方法について検討を行った。また,シミュレーターがない膀胱ろうの交換などに関しては,簡易シミュレーターを作成してもらい演習を行った。(4)シミュレーションシナリオ及びペーパーシミュレーションでは,シナリオを各数例作成し,シミュレーションを行った。また,手順書作成演習を各行為ごとに行い,演習の中で患者の病状の範囲や実施前後の評価内容の検討を行った。(5)筆記試験・実技試験(OSCE)評価指標・実習観察評価指標では,特定行為ごとに学ぶべき事項を含めた筆記試験を行い,構造化された評価表を作成し,実技試験(OSCE)評価及び実習評価を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1年間を通して,教材を開発しながら,21区分38行為の特定行為研修の講義・演習を実施した。作成する教材(1)~(5)について,(2)~(5)については,概ね当初の計画通りに教材を作成し,講義・演習を実施することができた。(1)自己学習のためのe-ラーニングシステムでは,まずe-ラーニングが可能かどうか検討を行い,共通科目と重複する内容については,e-ラーニングの教育も可能であると考えた。しかし,内容量が多く,e-ラーニング教材を作成しシステム化するには時間が必要であり,e-ラーニングシステムの開発まではできていない。
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今後の研究の推進方策 |
(1)自己学習のためのe-ラーニングシステムでは,まずe-ラーニングとする学習項目を整理し,教材を作成する。(1)~(5)の内容について,平成29年度に作成した教材を整理し,テキストのための原稿の作成に取り掛かる。しかし,21区分38行為の原稿執筆には多くの時間を必要とすることが予測される。まず,モデルとなる1区分の原稿執筆を行い,計画的に原稿執筆ができるようにしていく。 本研究の成果発表については,平成30年度に一部を看護系学会の交流集会で発表することを予定しており,演題申請中の状況である。
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次年度使用額が生じた理由 |
教材のための備品・図書文献費については,大学実習費にて購入できる範囲であったため使用しなかった。旅費についても,関連学会の出席は他公費の支給があったため使用しなかった。 翌年度分として請求した助成金と合わせた使用については,テキスト作成のための図書・文献費を中心に使用する予定である。
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