研究課題/領域番号 |
17K17427
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研究機関 | 福岡女学院看護大学 |
研究代表者 |
田中 千尋 福岡女学院看護大学, 看護学部, 助教 (00755952)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 看護教員 / 力量形成 / ライフヒストリー |
研究実績の概要 |
看護系大学の急増に伴い看護教員の資質が従来にも増して問われている。これまでの先行研究では、専門学校の看護教員や実習指導における教員の力量など、特定の側面に焦点を当てた、部分的、断片的な研究は多くみられるが、看護教員の経験や社会的背景を含め全体的(ホリスティック)に力量形成を明らかにしたものはみられない。本研究では先行研究Ⅰ~Ⅲに続き、ライフヒストリーの視点から社会的文脈や時代背景も含め看護教員はどのような経験から学び、どのように力量を形成しているのか力量形成過程を明らかにし、力量形成モデルの構築を目的としている。そこで本研究においては2017年ライフヒストリーに関する文献検討の実施と、倫理審査承認後看護教員の力量形成の様相を明らかにするために、専門学校に所属する看護教員10名を対象に力量形成過程について半構造的面接を行った。当初の計画では新人看護教員に限定していたが豊かなデータ収集のため新人に限定せず行った。8名のデータを分析後第28回日本看護学教育学会学術集会にて発表予定である(採択通知済み)。看護専門学校に所属する看護教員は、教員養成課程受講を一つの契機とし、これまでの経験の意味を深く問いながら自律的に学び力量を形成していた。特に力量形成において先輩や上司というメンターの存在は大きく、職務継続に影響を及ぼしていることが明らかとなった。また歴史的変遷について整理し第32回日本看護歴史学会学術集会に演題登録し査読結果を待っているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初、10名の研究協力者を予定していたが2017年度に15名の協力を得ることが出来、順調にデータ収集は進んでいる。今後はライフヒストリーに関する文献検討を行いながら、看護教員のライフヒストリーに関する質的分析について検討していく。
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今後の研究の推進方策 |
2018年度はライフヒストリーに関する文献検討を行いながら、看護教員のライフヒストリーに着目し半構造化面接を実施する予定である。データに関する質的分析については、教育学及び社会心理学の学識経験者からスーパーバイズを受けることとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
2017年度は当初の計画より研究協力者が増え半構造化面接日数が増えたことや分析のための図書購入の必要が出たことにより前倒し支払い請求を行った。2018年度購入予定であった図書等は引き続き2018年度も使用予定であり、2018年度請求する額は減るものの研究遂行上問題ないと考える。
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