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2018 年度 実施状況報告書

がんになった父親における希望と困難の現状把握と多職種共同支援の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K17433
研究機関秋田大学

研究代表者

赤川 祐子 (阿部祐子)  秋田大学, 医学系研究科, 助教 (10770117)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードがん看護
研究実績の概要

本研究の目的は、がんになった父親における希望と困難の現状把握と多職種共同支援の開発である。平成30年度は2段階の調査を行った。第一段階として、全国がん診療連携拠点病院を対象に郵送式無記名自記式質問紙調査を行った。全国11施設、54名から質問紙を回収した(回収率:79.4%)。調査内容は年齢、がん診断時期、家族構成の属性、相談者などのサポート体制の有無、QOL(FACT-G)、ストレス対処能力(SOC-13)、困難と希望(平成29年度に文献レビューで得られた内容各13項目)とした。その結果、QOLやストレス対処能力の特徴として、先行研究と比較し低い傾向にあり、困難と希望は共に持ち合わせていることが明らかになった。男女別の傾向としては、男性は相談者がいない割合が高く、QOLやストレス対処能力も女性より低かった。
第二段階として聞き取り調査を行った。参加者は5名、面接時間は約52分であった。面接内容を質的記述的に分析をし、困難は【自分のせいで子どもに負担を与えていること】【治療によりいつも通りの生活が出来なくなること】【子どもとの心の距離が離れてしまうこと】【子どもにとってよくない状況を想像してつらい】【子どもにとって良い親でいられないこと】【子どもの将来への不安】の6カテゴリー、希望は【親としての在り方が治療に向かう気持ちを支える】【子どもを育てる責任感を感じること】【子どもと日常生活を過ごすこと】【子どもの成長を感じること】【子どもが自分の存在価値を取り戻してくれること】の5カテゴリーが得られた。
がん治療中の親への支援は、がん治療中で親役割が果たせない場合でも親の存在価値は変わらないことを伝え、困難を軽減する必要がある。さらに、親子のつながりが安定するように親子関係についても相談に乗れる環境を作ることが重要であると示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

質問紙調査、聞き取り調査と結果の分析が完了し、支援プログラムの作成に向けた基盤が完成した。

今後の研究の推進方策

平成30年度は、質問紙調査と聞き取り調査の結果をそれぞれ分析をした。次に、両データを統合する必要がある。その上で、がんになった父親の特徴を抽出してプログラムを作成していく。
実践プログラムを作成にあたり、現場の看護師にも意見を収集し、現実的に活用しやすい内容を検討していく。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] がんの親をもつ子どもへの支援~CLIMBプログラムアシスタント養成講座の教育効果~2018

    • 著者名/発表者名
      赤川祐子、眞壁幸子、利緑、伊藤登茂子、安藤秀明
    • 雑誌名

      第49回日本看護協会論文集ヘルスプロモーション

      巻: - ページ: 95-98

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Hope and difficulty in parents under diagnosed with cancer2018

    • 著者名/発表者名
      Yuko Akagawa
    • 学会等名
      第22回EAFONS
    • 国際学会
  • [学会発表] がんの親とその子どもへの支援~秋田CLIMBプログラムを開催して~2018

    • 著者名/発表者名
      赤川祐子
    • 学会等名
      第23回日本緩和医療学会学術集会
  • [学会発表] がんの親をもつ子どもへの支援~CLIMBプログラムアシスタント養成講座の教育効果~2018

    • 著者名/発表者名
      赤川祐子
    • 学会等名
      第49回日本看護協会学術集会-ヘルスプロモーションー
  • [学会発表] A県におけるがんになった親の18歳未満の子どもに対する看護師の支援の認識と現状2018

    • 著者名/発表者名
      赤川祐子
    • 学会等名
      第32回日本がん看護学会学術集会

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公開日: 2019-12-27  

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