3年間の研究成果は、主に2点ある。がん治療中の親の希望と困難について、全国的な実態調査において具体的に把握されたこと、多職種共同支援の実施である。 がん治療中の親のQOLやストレス対処能力は先行研究と比較し低く、特に父親は母親よりも低いことが明らかになり、親役割が担えないことが困難であった。一方では、子どもの存在や成長が希望となり、患者自身が感じる存在価値を高めていることも推察された。子育て中のがん患者は年々増加しており、治療と生活の両立が必要となる。がん治療中の親への支援では、希望に目を向けられるような対話が重要と明らかになり、今後の支援体制構築の一助となった。
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