研究課題/領域番号 |
17K17435
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
雨宮 歩 千葉大学, 大学院看護学研究科, 助教 (90778507)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 足潰瘍予防 / 胼胝予防 / フットウェア / せん断応力 / 圧力 / 歩行 |
研究実績の概要 |
糖尿病性足潰瘍は、その前段階で多くの場合胼胝(べんち;タコ)を形成するため、胼胝形成を予防することが足潰瘍発症予防に効果的であると考えられる。今までに明らかにしてきた胼胝形成要因であるせん断応力圧力比(SPR: Shear stress Pressure Ratio)と胼胝形成のカットオフ値、胼胝形成に関わる歩行中の下肢の動きと靴の要因より、本研究は糖尿病神経障害患者においてSPRを考慮した胼胝形成予防介入効果を検証することを目的としている。 2019年度は、臨床でRCTを開始したが、前半はポスター掲示のみのリクルートで研究参加者がほとんど集まらなかったため、リクルート方法を変更し、医師の診察後に同意をいただけた方全員の足と神経障害の有無を確認し、対象者をリクルートする方法に変更した。その調整や倫理の修正などに数か月かかったが、12月末より新たなリクルート方法を開始し、研究参加者が集まり始めている。 糖尿病神経障害があり胼胝がある研究参加者に対し、胼胝を削り1か月後の経過を確認している。コントロール群では1か月後に同程度の胼胝が形成されている例が多いが、フットウェアによる介入群では胼胝形成が縮小される例が多くみられており、今のところ仮説通りの結果が得られそうな見込みである。(調査終了後に定量的な解析を実施予定であるため、現状は主観的な評価になっている。) また、リクルート中に、足に関して本人から何も訴えがなくても、実際に足をみてみると足潰瘍のリスクが高い状態にある方も何名かおり、医師や看護師と情報を共有しその後の治療につなげることができたことも重要な成果であると言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り、本研究の最終段階であるRCTを開始することができている。2019年度前半は研究参加者が少なかったものの、後半にはリクルート方法を変更することで、研究参加者も増えてきている。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は引き続き、臨床で糖尿病神経障害を持つ患者に対するRCTを継続し、結果をまとめ、公表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2018年度に産休があり、研究期間を一年延長したため。
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