研究課題/領域番号 |
17K17436
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
今津 陽子 横浜市立大学, 医学部, 講師 (60782670)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | がん看護学 / 災害看護学 |
研究実績の概要 |
平成29年度は、研究代表者の異動に伴う研究実施施設の調整、倫理審査委員会の申請などを実施した。また、研究実施施設は東日本大震災の被災地内にあるがん診療連携拠点病院1施設と首都圏のがん診療連携拠点病院1施設の計2施設を予定していたが、研究協力者と相談し被災地内にある宮城県内のがん診療連携拠点病院1施設に絞り、対象者を予定の20名から40名と増やすこととした。研究実施施設は東北地方において有数の頭頸部がん治療の多い施設であり、対象者数は予定の調査期間で十分収集できる計画である。 さらに、調査実施施設の調整、倫理審査に並行して、平成30年度に予定していた第1部観察研究の論文執筆に向け、災害時のがん患者の実態に関する文献レビューを先行して実施し、第23回日本集団災害医学会学術集会で発表した。 1.「日本における災害時のがん患者の実態に関する文献レビュー」(研究成果) 災害時のがん患者の実態や行われた支援における課題を明らかにすることを目的に、日本における災害時のがん患者の実態や支援に関する文献を検討した。対象は25編が抽出され、研究論文は5編、会議録14編、特集6編であった。さらに、研究論文は内容別に「東日本大震災での医療者、患者の災害経験」2編、「がん治療や患者における災害対策」3編の2つに分類された。従来の災害医療の考え方から転換し、がん患者の災害時の状況を踏まえ、災害時でも治療継続できるための試みが検討されており、がん治療と避難生活の両立ができるように支援することが求められていた。本研究結果から、災害時のがん患者が抱える課題が明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成29年度は第1部の観察研究(頭頸部がんサバイバーの持つ災害に備える力の構造に関する観察研究)を実施することを計画していた。研究代表者の異動により、倫理審査委員会への申請手続きが計画より遅くなったこと、対象に被災者が含まれる可能性により、倫理審査の手続きが通常の観察研究よりも時間がかかっている。現在も研究代表者所属大学の倫理審査の段階にある。研究実施施設は宮城県内のがん診療拠点病院1施設において内諾を得ており、研究責任者としてがん看護専門看護師の協力を得て、研究実施施設内の各所との調整を行っていただいている。所属大学の倫理審査承認後、直ちに研究実施施設での倫理審査に移る予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度では予定している第1部観察研究のデータ収集、分析、論文執筆・学会発表が実施できるように、倫理審査が終わる9月より調査のための研究補助員1名を雇用する予定である。実施施設での倫理審査が終了次第、調査をすぐ終えられるように、研究実施施設内に研究責任者と連携し、調査予定を計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究実施施設の調整や倫理審査委員会での審査時間が長引いているため、データ収集が開始できなかった。次年度は平成29年度に行う予定であった調査に伴う旅費や物品に関して支出を行い、調査をより進めるため研究補助員1名を雇用する予定である。
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