研究課題/領域番号 |
17K17453
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
岡山 未来 (木本未来) 金沢医科大学, 看護学部, 講師 (50515335)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 糖尿病 / 透析 / 社会 / 周囲の人 |
研究実績の概要 |
本研究は糖尿病透析患者の家族と結びつく経験を活用した患者教育プログラムの開発を目的としている。ただし、研究結果を踏まえ、テーマを一部(「家族」から「身近なヒトとでつくる社会」)に変更した。2019年度は次に挙げるⅠとⅡに取り組んだ。 Ⅰ.透析導入して3年を過ぎた糖尿病透析患者に対し「周囲の人と結びつく能力」について、現象学的アプローチを用いて、明らかにする。 1.参加観察を行う。参加者の選定と教育場面の観察目的に、透析室で透析患者と医療者間で交わされた言動や患者の表情を観察しフィールドノートを作成する。2.面接調査として面接回数1~2回を実施する。「現在、家族に対してどのように思いを抱いていますか」という質問を皮切りに、現象学的態度による非構造化面接を行う。3.カルテから①年齢②既往歴③家族構成④透析期間⑤治療内容についてデータを収集する。4.論文化する。進捗状況としては、1~3を終了し、4である論文の投稿中である。 Ⅱ.患者教育プログラムのケア評価を行うために必須となる尺度開発を行う。 1.Ⅰの結果および、先行研究を活用し、尺度原案を作成する。2.尺度原案を専門家や、患者に回答を求め、精選する。3.特定の集団(施設透析を行っている糖尿病の透析患者)を対象に 作成した質問紙調査を行う。4.結果を用いて、質問紙の信頼性と妥当性を検証する。5.論文化する。進捗状況としては、4まで終了し、5に取り組む予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2018年度は、産休・育児休業により研究時間の確保が困難であった。2019年度は、予定どおり進んだものの、全体の研究計画からすると遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は、研究計画のⅢである、尺度を活用した教育プラグラムの開発および、教育プログラムの実践およびその効果の測定をメインとして行う予定であった。しかし、新型コロナウィルスの影響により、本年度、実践現場である透析施設へのアクセスは、非常に困難である。そのため、教育プログラムの原案作成までをゴールとするのが妥当と考える。原案までの作成プロセスに焦点を当て、尺度の活用や専門家会議の利用、教材の開発などを実施し、プロセスを経て得た成果物をデータとして、論文化を目指したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
出産による、育児休暇の取得などで、一定期間、物理的に研究を進めることが出来なかった。そのため、研究計画全体が遅れていることによる差額が発生した。 次年度は、2本の論文化のため英語訳や投稿など、また、Windows7の使用不可によるパソコンの買い替えを予定している。
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