本研究は、治療中断を防止する支援モデルの開発を目指し、治療を継続している2型糖尿病患者の療養行動に対して意味づけをするための要素を明らかにすることを目的とした。先行研究で、治療中断をしたことがある2型糖尿病患者は、医療者から見れば治療中断は誤った意味づけからの療養行動であるが、患者は治療中断という行動に意味づけをしており、治療中断中も患者なりの療養行動をしていたことが明らかになった。治療中断に至る患者と治療を継続している患者を比較すると、療養行動に対する意味づけが異なる。そのため、治療を継続している2型糖尿病患者の療養行動に対して意味づけするための要素を明らかにした。 研究方法は、9名の治療を継続している2型糖尿病患者を対象に、慢性疾患看護専門看護師が、療養行動の意味づけを明らかにすることを目的に、半構造化面接をデータとして収集した。 結果、治療を継続している2型糖尿病患者は、<自分のこととして糖尿病を受け入れる>ができ、<一緒に責任を担ってくれる人がいる>がいる。<身体感覚と検査値が一致する>ことで<試行錯誤を行う>ことで療養を継続していた。一方で、療養行動が継続できるようになるまでの過程では、糖尿病の症状がなく、<自分のこととして糖尿病が捉えられない>中で、糖尿病の悪化を周囲の人から<自己責任で片づけられる>中で、<検査値に一喜一憂していた>ことが振り返られ、<言われた通りにする>ことを行っていたと語られた。 糖尿病は慢性疾患であり、患者の生活にとって極めて侵害的であり、生活そのものが療養となる。そのため患者は自身が主体となって療養していくことが求められるが、患者が主体的に療養していくためには、<自分のこととして糖尿病を受け入れる><一緒に責任を担ってくれる人がいる><身体感覚と検査値が一致する><試行錯誤を行う>の4要素が育まれるような介入が重要であると考える。
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