研究課題
がん患者を介護した遺族は、精神的健康に関する問題を抱えることが多いことが知られている。これまでの報告により、一般病棟または緩和ケア病棟で亡くなったがん患者の遺族のQuality of Life(QOL)を高めるためには、患者の終末期に、患者と家族介護者が医療者からどのようなケアを受けたかということが重要であると考えられる。しかし、日本では遺族を対象とした縦断研究が行われておらず、エビデンスに基づいた死別前からの継続的な支援が行われているとは言い難い。そのため、本研究は、家族介護者が認識するケアの満足度の視点に着目し、緩和ケア病棟に入院中の終末期がん患者の家族介護者のケアの満足度と、患者と死別後6か月時点のQOLとの関連を縦断的に検討する。続いて、終末期の入院中のケアの満足度に着目した、遺族のQOLを高める医療者向けの支援プログラムを開発することの2つを目的とした。これらの目的を達成することにより、患者の終末期の入院中から遺族のQOLを見据え、終末期がん患者の家族介護者への具体的なケアのポイントを医療者間で共有できることは意義が大きいと考える。前年度までに2施設(3緩和ケア病棟)にて質問紙を配布し103名から返信を得ており、目標症例の90例に達したためデータ集積が終了した。今年度はデータ入力と固定、プライマリーアウトカムに対する主解析までを行い、結果の解釈や考察を検討している。
3: やや遅れている
今年度は研究期間の最終年度であったため、国際学会と学術雑誌で成果を発表する予定であった。しかし、産休と育休により研究を中断していたため、現在解析を行っている最中である。
研究期間の延長申請を行い、次年度に国内外の学会と学術雑誌にて成果を発表する。
年度内に国際学会への参加と学術雑誌への投稿を予定していたが、研究を中断していたため発表まで至らず差額が生じた。次年度の英文校正、学会発表、オープンアクセス料金への使用を計画している。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
Cancer
巻: 125 ページ: 3320-3329
10.1002/cncr.32327