研究課題/領域番号 |
17K17462
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
相澤 弥生 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 助手 (50772729)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 遺伝カウンセリング / 網羅的ゲノム解析 / 偶発的所見 / 二次的所見 / 結果返却 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、網羅的ゲノム解析を受検する対象者に対するサポートツール作成の前段階として、網羅的ゲノム解析の結果返却に関する現状を調査し、対象者への説明内容に関する課題を抽出することである。まず、すでに網羅的ゲノム解析が臨床応用されている欧米における結果返却に関するインフォームド・コンセントに対する取り組みに関して、情報を収集する。次に、我が国における網羅的ゲノム解析の状況、結果返却に関する課題について、遺伝医療に関わる専門家の意見を収集する。そしてその結果をもとに、網羅的ゲノム解析の結果返却に含めるべき説明内容等を検討する。 平成29年度は、網羅的ゲノム解析の個人の結果返却について、文献やWeb上の情報を収集し、情報を整理することを計画した。網羅的ゲノム解析により得られる情報、また受検者への偶発的所見も含めた結果返却のあり方に関する検討は日々進んでおり、特に米国においては、二次的所見として複数の遺伝子に関する情報を患者または研究参加者に伝え、その心理的反応等を調査し、検討する試みがいくつも行われている現状が明らかになった。また伝えている遺伝情報や対象者もプロジェクトにより多岐に渡っており、それぞれ研究参加時に使用するパンフレットを工夫するなどの試みを行っていた。今後、実際に調査等を行うにあたっては、現状を踏まえた上で、調査項目等を検討する必要性があることが示唆された。文献で得られた情報はほとんど他国のものであったため、日本でどのような議論が進んでいるかも踏まえ、検討していく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
文献検討に当初の予定以上の時間を費やしてしまったが、それによって得られた情報は今後、研究を進める上で有意義であったと考える。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、偶発的所見も含めた結果返却に関する取り組みや認識について調査するため、医療従事者を対象にアンケート調査を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
人件費・謝金、予定していた一部旅費を使用せずに研究を遂行できた。今年度は情報収集のために学会等に参加予定であるとともに、アンケートの実施のため使用する予定である。
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